日本マクドナルド、2015年6月中間決算で262億円の赤字(水曜日)

 マクドナルドの業績が浮上しない。7月の既存店売上高は対前年比で12.7%のダウン。それに引き続いて、水曜日に発表された中間決算では、純損益が262億円の赤字。売上高(HDGS)も、前年比で29.5%の減少(852億円)。潤沢だったはずの手元のキャッシュも不足しはじめているだろう。



 朝日新聞(オンライン、2015年8月12日)によると、

 「営業損益も前年の35億円の黒字から、182億円の赤字になった。100人募った早期退職には78人が応じ、その費用6億円は特別損失として計上した。15年12月期の通期で380億円の純損失を出すとの見通しは、据え置いた。
 サラ・カサノバ社長は記者会見で「下半期は信頼回復を加速させる。日本人の好みに沿ったおいしさを提供していく」と話した。日本独自メニューでは、5月に発売したベジタブルチキンバーガーに続き、秋には北海道産チーズのハンバーガーや長野県産の巨峰を使ったデザートも売り出す予定。客足の回復を急ぐ考えだ。」(北川慧一)

 対顧客と商品面での対応がすでに遅すぎたのかもしれない。静岡サテライトの「院生フィールドワーク」(8月4~5日の店頭観察)で、いまのマクドナルドに次のような印象をもった。観察した店舗は限定的だが、もしかすると決算数値通りのことが、どこの店でも起こっているのかもしれない。

(1)スマイルゼロ¥
 マクドナルドには、良質なクルーが集まらなくなっているのではないのか。マニュアル通りの対応はなされているが、かつてのような気持ちの良いスマイルは、クルーから失われている。
(2)清潔度
 主観的な側面もあるが、近くにあったモスバーガーやバーガーキングに比べて、テーブル席もトイレも床も、とりたてて清潔とは言い難いところがあった。
(3)野菜のサラダについて
 健康的なメニューということで、マクドナルドはカップ入りの「野菜サラダ」を投入している。セットで頼むともっと安いのだろうが、単品では280円。実際に購入して食べてみたが、値段の割にコンビニのものより美味しい感じはしない。この値段であれば、中食で購入したサラダの方が冷やしてあって美味しい。

 前年に売り上げを大幅に落とした8月に、対前年比で売り上げが浮上しないとなると、さすがのマクドナルドも大変なことになるだろう。2013年から二年間の月次売上高(既存店)の減少幅が、7か月連続して-20%を超えている。実際の既存店売上データを見てみよう。

 2015年既存店売上高(2013年比)
   1月 -34.2%
   2月 -37.4%
   3月 ー31.9%
   4月 -24.9%
   5月 -24.6%
   6月 -31.4%
   7月 ー30.0%
   8月 ???

 この先、日本マクドナルドのハンバーガー事業はどのような展開になるだろうか?