本日は、たまがわクリーン(10K)を走ってきました。先週のトレイルランから負傷明けのわたしは、51分48秒。平凡なタイムでした。一緒に走った雪山晴子さんは、54分38秒。20代の女性では大健闘でした。たぶん、20代女子では一桁順位と思われます。
タクシーで京急蒲田(雑色)までタクシーを飛ばして、銭湯に入ったあと、ふたりで雑色駅近くの居酒屋で飲みました。新川崎駅から河川敷にあるマラソン会場まで歩いていく途中で、「ひもの屋」を見つけました。「走ったら、あとであそこで飲みましょうね」と雪山さんと約束。
ところが、日帰り温泉が近くになかったために、京急蒲田の近くまで行ってしまい、食べたかったアジやホッケの干物が遠くにかすんでしまいました。しかし、わたしはあきらめずに解決策を追求。雪山さんのスマホで、近くの「ひもの屋」をさがしてもらうように懇願しました。しつこいんです。
すると、なんと!銭湯から出て、いま立っているこの位置から、わずか48Mに。雑色商店街のアーケードの中に、「雑色のひもの屋」があるではないですか!
「ひもの屋(雑色店)」でのこと。走った後なので、サッポロビールの大ジョッキーが回ってくるのは早く。アルコールを散々飲んで酔っ払いながら、ひもの屋が日本近海から仕入れてきた、ハタハタ、キス、イワシの小魚の干物3点。それに加えて、干しサバ、開いた金目鯛の焼き物を注文。
芋焼酎(PBの「ひもの屋」鹿児島産)を1本、ボトルで入れて(1180円、安い!)。大満足で精算を済ませてから、何気なく店のお兄さんに尋ねてみました。「ひもの屋」の存在を今日まで知らなかった雪山さんが、「何店舗あるのですか?」と尋ねると、「30店舗らしいですね。うちは、FC(フランチャイズ)なんで全部で何店かはわからないのですが」
そこから、ひもの屋に興味津々のわたしが、確認の意味で、「あのひものはどこから来てるのですか?」と尋ねた。当然、銚子漁港とか焼津とかを期待しての問いかけです。朝がたに網にかかった真アジやイワシを、そのまま一夜干しにして、30店舗に配送しているのだろうなと思っての質問でした。甘かったのです。これが。
その答えに、わたしは驚愕してしまいました。予想を完全に裏切られてしまったからです。そのお兄さんいわく、「大きな干物は、オランダから輸入してるんです」。いやー、びっくり。まさか、世界一食事がまずいオランダからとは。イギリス人もびっくりしますよ。
カウンターに並んでいる立派な真アジやイカの一夜干しは、てっきり伊豆半島の伊東か焼津からのものだとばかりだと思っていたのです。「ひもの屋」の雰囲気は、そうした地産地消の雰囲気を醸し出しています。実際に、5年前にはじめて大田区のお寺で走った後に入った「ひもの屋」では、千葉や神奈川や静岡の漁港を産地表示していました。本当です。店員さんに実際に聞いて確かめました。それがです。店舗が増えて、仕入れの状況は変わったのでしょうか?
「どうして、オランダなのですか」との問いに対する答えも驚愕でした。知識豊富な店員さん(もしかして店長さん)は、「日本産は、小さいからなのだそうです」。たしかに ひもの屋の干物は、ふつうの居酒屋のものより大型だ。大きな開いた干物を直火で焼くのがウリである。
オランダ人は長身です。平均身長が190センチ。女性でも180センチはざらです。だから、彼らが北海で漁をして日本に空輸するアジやホッケもでかいのだろう(笑い)。
ここで笑ってはいけない。わざわざ北海産を仕入れるのは、小柄な日本人が、その割にでかいアジやイワシが好きだからなのだ。それが北海産なのだ。日本の北海道産ではないのだ。
わたしにとっては、この事実も衝撃でした。わたしたち顧客は、きっと国産の魚を食べているつもりである。囲炉裏で焼くのだから、焼かれる魚も地産地消。これが真っ青なうそなのだが、現実的には、大量生産向けのマス商品(コスト効率と規模の効果)は、やはり海外から仕入れられていたのでした。
東日本大震災の余波なのかもしれないとも思ってみた。日本の漁港が、天日干しや魚加工で、大型の干物を低価格で作る技術やキャパシティを持っていないのでは。それが、国産が海外産にスイッチする原因だったのではないのか?
「地産地消」というお題目が、いかに気休めであるかを痛感した一日でした。事実を見るべきですね。結局は、消費者がすべてを決めている。知っているか知らないかは、この際は問題になりません。大きな魚が好きだし、骨を抜いてもらった方が、食べるのに楽なんだ。わたし自身がそう感じています。
国産愛好、安心安全。走った後で、冷や水を浴びせられてしまった。オランダ経由、北海産のアジやホッケになぐられました!