そうだったのか! ストレスと顎関節症、歯ぎしりの関係

 半年ぶりに、櫻田院長が経営する「オリオン歯科」まで、定期点検で歯石をとってもらいに出かけた。検診の予約時間をまちがえて、一時間も早くついてしまった。おかげて、いつもとはちがう若い女医さんが担当になった。やったぞ!櫻田先生、ごめんなさい。

 若い女性の先生は、説明がとても丁寧だった。定期検査だから、本来は虫歯の経過観察が目的である。半年前に虫歯を治療してあとに、金属をかぶせてある。その上の奥歯が滲みているのだ。先生が歯茎に風をかけると、たしかに「スースー」と滲みる気がする。
 それと、2か月ほど前から、顎関節がコキコキと鳴っている。「顎関節症ではないかと疑っている」と問診で伝えた。診察の結果、関節音がして歯茎が滲みるのは、両方が連動していることがわかった。
 女医さんは、モニターを取り出して、いつもは風景や映像が流れているPC画面を使って説明を始めた。DVDのソフトがプレインストールされている。顎関節症の遠因は、実は歯ぎしりだった。
 虫歯の治療跡が滲みるのも、顎の関節が鳴るのも、一般の人よりも強く歯を噛む癖があるからだった。要するに、顎関節症は、遠因が歯ぎしりにあるのだった。CGを使ってしてくれたので、説明がわかりやすかった。

 歯ぎしりの原因は、強い生活上のストレスと無理なマラソン練習にあった。このごろ、たしかに夢見が悪かったな。知らずに、夜中に歯ぎしりをしているらしい。確認のしようがないのだが、歯を強く噛むために、歯の内側と先端部が削れて、一部は欠けた状態になっている。
 舌で触ると、歯の裏側の一部に穴が空いているのがわかる。歯茎が下がった影響で、歯の神経が過敏になり、噛み合わせに不具合が起きていたのである。顎関節がコキコキと鳴るのも、かみ合わせに不具合があるからだった。
 これで、すべてが納得である。先生、ありがとう!である。

 そんなわけで、即座に、夜用のマウスピースの型どりしてくれた。
 ゲル状の粘土で型取りをしている間中、冷たいガムを噛んでいるような味気な口腔の感覚。ストレスフルな生活が原因だそうだから、そろそろ生活をスローダウンせよという合図なのかな。
 マラソンで走っているときは、かなり強く歯を食いしばっている。歯の健康には悪いみたいだ。そのむかし、元巨人の王選手がホームランを打つために、きつく食いしばって歯に衝撃を受けるため、歯がボロボロになったと聞いたことがある。
 15年分のマラソン人生がなせる業かもしれない。いやいや、その同じ期間には、ずいぶんと仕事でも辛い経験もしてきたからなあ。バラ園の金岡さん(JFMA常務理事)に、このメール(ストレスと歯ぎしりと顎関節症の関係)をメールしたら、「先生にはストレスはないものだ、と思ってました」と返信があった。「わたしって、そんなにお気楽に見えるのかな?」と苦笑い。

 女医さんからは、「マウスピース製作は、治療の第一ステップ」と言われた。だいたいが歯科医の治療は長くかかるものだ。虫歯治療などは、絶対に一回では済まない。ときどき、診療報酬の関係で治療期間をわざと長くしているように、とても疑いたくなることがある。
 ところで、わたしは虫歯のための麻薬治療は好きだが、歯石のクリーニングはいまいち気持ちがよろしくない。電子クリーナーの金属音が苦手なのである。皆さんも、わたしと同じ思いをしているのではないかと思う。「キーン、キャイ~ン」と響く音に、わたしの心は恐怖で凍り付いてしまう。
 歯科医療機器の会社で、あの音を改善してほしいものだ。高音の「キーン」ではなく、低音で「ブーン」とか「りんりーん」程度なら、恐怖心で引くことはなくなるだろう。技術的には可能なような気がする。それにしても、マウスピースに続く、顎関節症治療の第二ステップはなんだろうか?
 ふつうは再診はめんどくさいものだ。ただし、今回に限っては、きれいな女医さんにまた会えるので、来週の火曜日が楽しみである。マウスピースは、うまく造作ができて、きっちりと上部の歯茎にフィットするうだろうか。

 本日は、つまらぬ生活記録になってしまいました。わん