今回は、業種ごとに「トイレの清潔度」を見てみる。顧客満足度とトイレの清潔度が関連していない業種がある。小売業である。食品スーパーでは、CS上位の企業(1位オーケー、2位ベーシア)が、トイレ清潔度ではランクがそれほど高くない。ドンキホーテ(3.8点)は、全社中で最下位である。
<トイレの清潔度上位企業>
得点(7点満点)とCS(顧客満足度)
<スーパーマーケット>
1 ヤオコー 5.61 68.2
2 ヨークベニマル 5.49 67.4
3 コープこうべ 5.42 64.5
3 イトーヨーカドー 5.42 67.2
<コンビニエンスストア>
1 セブン-イレブン 5.24 70.3
2 ローソン 5.08 64.6
3 ファミリーマート 5.04 64.8
<生活関連用品>
1 無印良品 5.81 71.8
2 東急ハンズ 5.61 71.0
3 ロフト 5.52 66.3
<衣料品専門店>
1 GAP 5.58 70.2
2 ユニクロ 5.50 69.6
3 earth music&ecology 5.48 71.4
<解説>
食品スーパーは、トイレとCSの相関が高くない典型的な業種だった。トップのヤオコーは、CSでは業種第三位である。一般に、ディスカウント型のスーパー(ベーシアやオーケー)が顧客満足度が高い。ところが、CSがそれほど低くはないドンキホーテやトライアルは、トイレの清潔度では下位である。価格の安さと清潔度が反比例しているようにも見える(検証は不十分だが)。
なお、その他の業種では、CSとトイレの清潔度は相関している。たとえば、衣料品専門店では、トイレ清潔度上位3社は、顧客満足度も高い(上位3社)。生活関連用品でも同じである(ただし、CSトップのセリアは、トイレ清潔度では4位)。
コンビニエンスストアでは、セイコーマートがCSトップだが、トイレ清潔度は中位の得点である。CS第2位のセブンイレブンが、トイレの清潔度がダントツに高い。これは、経験的にも納得である。
サービス業で面白い事例をひとつだけ紹介する。カフェ部門でCS第一位は、カフェベローチェである。しかしながら、ベローチェは、トイレの清潔度に関しては、カフェ部門では最下位である。清潔度トップは、スターバックスである。
喫煙を規制するかどうかが、CSの高さや清潔さの分かれ道になっているらしい。たとえば、ラーメンチェーンの幸楽苑は、トイレの清潔度もCSも高いのである。