【新刊紹介】 なかだえり(2013)『駅弁女子:日本全国を旅して食べて』淡行社(★★★★★)

 東京駅のステーションギャラリーで購入した本である。刊行は2013年4月8日。少し時間が過っているが、おもしろい新刊本として紹介したい。著者は法政大学工学部建築学科卒(修士)のライターさんである。全国くまなく食べ歩いた駅弁のイラスト集である。



 この作者は、海産系の駅弁が好きらしい。序章にあたる「駅弁女子の大好き駅弁10選」では、お気に入りの10の弁当のうち、6つが魚系の駅弁である。
 最初に登場する横浜駅・崎陽軒の「シュウマイ弁当」と高崎駅の「復古だるま弁当」は肉系なのだが、それ以下は、「やきはま丼」(千葉駅)、「いかめし」(北海道・森駅)、「えび千両ちらし」(新潟駅)、「ひっぱりだこ飯」(新神戸駅、西明石駅ほか)、「平泉うにごはん」(一ノ関駅)、「山陰鳥取かにめし」(鳥取駅)と海産物ベースの駅弁が6本並んでいる。残りるは、「かしわめし」(福岡県・折尾駅)と「東京弁当」(東京駅)だが、このふたつは食べたことがなかった。

 
 
 
 本書でわたしが注目したのは、つぎにくる「カテゴリー別」の駅弁図鑑である。イラストの専門家らしく、ジャンル分けは、まずは素材から。「かに」「さかな」「寿司」「ちらし寿司」「葉っぱ寿司]からはじまり、「とり」「ぶた」「うし」と来るのだが、やはり魚が優先になている(笑)。
 「うし」の部門に、米沢・松川弁当店の「米沢牛炭火焼特上カルビ弁当」(1500円)のイラストで掲載されている。林社長、このひとに弁当のパッケージを作ってもらってはどうかな?
 つぎなるジャンル分けは、「B級グルメ」「二色弁当」「ご当地弁当」となる。「ユニークパッケージ」、駅弁だからだろうが「電車型容器」となる。「
25年前に、JR東海の運転手になった次男を連れて磐越西線に乗車したが、そのときは、「SL磐越弁当」なるものはなかったな。そういえば、「要予約」となっていた。

 これだけ駅弁を食べているたなかさんは、きっと鉄子さんだろう。電車についても、イラストが満載である。「駅弁女子のあこがれ電車は?」と思い中を読みと、わたしが乗ったことがある電車がオンパレード。

 トレイン1: わたらせ渓谷鐡道トロッコ列車(済み) → トロッコ弁当(未食)
 トレイン2: 秩父鉄道バイオエクスプレス(未) → SL弁当(未食)
 トレイン3: 小田急ロマンスカー(済み) → 大名弁当(未食、食べたくなった)
 トレイン4: 小湊鉄道といすみ鉄道(部分乗車) → 忠勝弁当(未食)
  

 このあとには、「駅弁女子のしあわせ旅行」と「駅弁女子のいとしき東京駅」が来る。

 トラベル1: 大人になったらこそ行きたい世界遺産・日光東照宮(済み)
         → ゆばちらし寿司(未食)
 トラベル2: おいしい精進料理の宿坊と善光寺、最古の現存天守「松本城」(済み)
         → 岩魚寿司(未食、かなり食べてみたい)
 トラベル3: B級グルメな駅弁と上質なワイナリー(済み)
         → 甲府とりもつ弁当(済み) サントリー松尾英理子さん推奨?
 トラベル4: おいしさダントツ「あなごめし」 宮島の絶景と原爆の歴史(済み)
         → あなごめし(済み)
 トラベル5: 金比羅山に美術館にお城に温泉に、よくばり四国巡り(済み)
         → お遍路さん弁当(パス、菅直人のイメージできらいだ!)

 というわけで、駅弁のイラストが満載。男子でも、楽しい一冊です。下町の蔵に住んでいるらしい著者に会いに行きたい!