4月中は、東京花博開催のための条件を各方面に問い合わせていた。官庁や地方自治体の担当者と話してわかったことを記録に残しておく。結論としては、東京花博(A1:最大規模の国際博覧会)を開催しようとすると、立川市の昭和記念公園にはすでに場所がないことが判明した。
昭和記念公園(立川市)は、国土交通省の公園・緑地課が管轄している。担当者にお会いして話をしてみたところ、つぎのことが明らかになった。また、この間に、農水省の担当者からも新しい情報を得ている。
(1)A1クラス(90年大阪花博)の博覧会を開催する場所がない!
最低限60haの敷地が必要である。そのための土地は、2016年開催(東京オリンピック開催のために辞退)を想定していた時点では、昭和記念公園の隣接地(国有地)が存在していた。しかし、この土地は、4年間で開発が進んで用途指定が決まっている。代替地は、昭和記念公園内には存在しない。
東京開催にこだわるのならば、東京湾岸副都心(東京オリンピック開催予定地)か、別の市町村(たとえば、深大寺植物園がある調布市など)に求めることになる。
(2)東京都西地区(の都市)では財源確保が困難
東京都や日本国に補助を仰ぐにしても、開催の市町村が300億円の財源を準備する必要がある。もちろん、入場料収入で300億円(=1000万人×3000円)はカバーできるはずだが、リスクもあるので初期の準備金は必要である。
さらに、開催にあたっては、企業協賛金300億円、国からの補助金300億円と合わせて、合計約900億円(大阪花博規模)を集めなければならない。そうした推進力は、東京西地区(多摩5都市)では困難かもしれない。
(3)開催年度が2022年以降
A1規模の博覧会は、国際的な承認を要する。A1の花博に関しては、開催前後に2年を置かないとならない。現状では、2020年までは、いくつかのA1博覧会が予定されていて席が確保できない。2020年以降に開催申込みとなるのだが、2022年にはオランダが花博(フロリヤード)が予定されている。
ぎりぎりでは2020年開催なのだが、この年は、東京オリンピックの可能性が50%ほど残っている。
したがって、(1)と(2)を解決するために、開催地を東京都23区(湾岸)か、横浜あるいは埼玉に移す。とはいっても、「東京花博」と呼べばよい(千葉の舞浜が東京ディズニーランド!だから)。
(3)の問題は、2022年のオランダ・フロリアードは想定されてはいるが、日本開催にチャンスは残されていると感じる。いまから9年後に、国際花博をオランダで継続開催するのは、昨年2012年のフロリアードの参加状況を見るとかなり困難のように見える。
さて、この先は、どのような展開になるのだろうか?