学生たちが昨年度、食品スーパーのヤオコーに提案して実験した「枯れバラ交換システム」が、本格的に導入されることが決定した。「ざ・ばら祭」の3日間(20~22日)、ヤオコーの15店舗で実施された。その記事が、『日本農業新聞』(4月21日号)で紹介されている。
学生のフィールドワークで突然始まった「枯れバラ交換」のアイデアだった。ヤオコー花部の大島部長がまじめに対応してくださったことが事の発端である。
他店で購入したバラでもよいから、枯れたバラを店舗に持参したら、新しい新鮮なバラと無料で交換。というアイデアである。もともとが、期限切れの他店のクーポン券を持参したら、商品を値引きしてもらえる店舗があったことをヒントに、学生が提案した「ふざけたような」アイデアだった。
わたし自身、正直に言うと、「それってホントにありなのか?」と思ったのだが、学生の主張通りに二店舗で実験してみたら、それなりの結果が出た。
他店でバラを購入した客が、27人がテスト期間の6日間で来店してくれた。そのうちの9人は、もらったバラ以外の花を購入した。残りの22人は、花は購入しなかったが、他の商品を購入して帰った。実際に効果があったのだ。
ヤオコーの内部でさらに検討を進めたところ、インショップの店舗へ本格的に導入してみることが決まった。とりあえず、今月の「ざ・ばら祭」で15店舗で取り組んでみることになったのである。
「枯れバラ貢献システム」の導入にあたっての経緯については、日本農業新聞に詳しく紹介されている。それも一面の記事である。
法政大学の学生のアイデアで始まったことが書かれている。カラーで写真が紹介されている。「ざ・ばら祭」の紫色の幟とプライスカードもばっちり写っているぞ。
学生たちは、まだこの記事の存在を知らない。担当した昨年度の「ヤオコーチーム」は、フィールドワークで二度も優勝している。夏冬の連覇だった。これも、小川ゼミ始まって以来の快挙である。
今回の記事掲載も、おめでとう!!常識にとらわれずに、やってみるものだね。
記事を掲載する。
「枯れたバラ無料交換」
首都圏で食品スーパーを展開するヤオコーは20日、枯れたバラを無料で商品のバラと交換するサービスを本格的に始めた。来店のきっかけにしてもらい、他の花や商品の「ついで買い」を促す狙いだ。他店で買ったバラでも交換できる。昨年12月に試験実施したところ好評だったため、22日まで開く「ざ・ばら祭」の3日間、15店舗で行う。
枯れたバラは、本数にかかわらずバラ1本と交換する。枯れたバラは同社が処分する。このサービスは、法政大学経営学部の学生グループが同社に提案した。
同社はもともと、人気商材のバラを前面的に打ち出した売り場作りを行っていた。生鮮部の大島三男部長は「『バラのヤオコー』のイメージを広めるきっかけとして期待感があった」と提案を採用した。
同社は、昨年12月と今年1月に2店舗で各3日間開いた「ざ・ばら祭」で試験的に実施。延べ6日間で27人が交換のため来店し、このうち9人が他の花を、また22人が他の商品を購入した。反響を受け、今回の本格実施を決めた。
20日に東京都の八王子並木町店に訪れた、八王子市在住の主婦・山口澄子さん(57)は「他店の花でも交換できるのはすごい。友人にも紹介する」と話した。
販売担当者も「花の産地を尋ねられたり、お客と話す機会が増えたりした」と話している。