日本全国で秘湯の数が増える?

 今週の金曜日(11月4日)に、九州大田会の講演で大分県飯田高原にある「寒の地獄温泉」に投宿した。宿泊客が30人ほどだったので宿は貸しきりである。宿の親父さん(150年前に創業した宿の7代目)が大田会の幹事さんの知りあいだったらしい。


紅葉の林に囲まれたたたずまいからして、わたしが大好きな宿であった。デジカメで写真をとってから玄関に案内されて、さて・・・入り口の提灯をみて「しまった!」と思った。大田花きの宍戸純君と吉田幸恵さんが手配してくれた宿は、「日本の秘湯守る会」に所属している旅館であった。
 そうなのである。うかつだったのは、「スタンプ帳」を忘れてきたことである。持ってくれば、ちょうど10個目のスタンプをいただけたはずだったのである。3年以内に「秘湯を守る会」の宿に10回泊まると、その中から好きな宿を選んで一泊、一番良い部屋に無料で宿泊できるのである。その権利まであと一個に迫っていたのに、この週末はスタンプ帳を持参してこなかったのである。
 それには理由がある。日本全国で「秘湯」(有限中間法人・朝日旅行会)に認定されているのは約150軒である。福島県と長野県のふたつの県にはとくに秘湯が多い。わたしの記憶によると(集中的に秘湯に泊まりはじめた1995年ごろ購入した書籍の記録によると)、九州にはたしか3箇所しか秘湯は無かったはずである。北海道と九州は、「秘湯過疎地」だったはずである。だから、「講演後の懇親会のために準備されている宿泊先が秘湯であるはずはない!」と勝手に思いこんでいた。ところが、確率1%でその事態が起こってしまったのである。
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 1999年9月1日発行の日本の秘湯を守る会監修『日本の秘湯、第12版』」(朝日旅行社)で、全国の秘湯をリストアップしてみることにした。それと、寒の地獄温泉でいただいた新しいスタンプ帳に記載されている「現在の秘湯リスト」を比較してみた。長くなるが、県別に秘湯の数を列挙してみる。括弧内の順番は、左・1999年秋、中・2005年現在、右・わたしの宿泊経験宿数:入浴だけを含む)。わたしは今回で3冊目のスタンプ帳であるから、延べの宿泊数では30箇所を超えているはずである。学生時代や子供の頃に、それとは知らずに宿泊した場所もあるので、結果はさて・・・

 北海道(5、9、3)
 青森(4,3,0)
 秋田(7,8、3)
 岩手(6,6、1)
 宮城(4,4、0)
 山形(8,10,3)
 福島(20、22、5)
 栃木(6,7,3)
 茨城(0.1.0)
 群馬(11,13、8)
 埼玉(2,2,2)
 東京(1,1,0)
 静岡(3,4,0)
 山梨(4,3,2)
 長野(21、23、1)
 新潟(13、14、2)
 岐阜(6,7,2)
 石川(4,4,0)
 富山(2,2,0)
 奈良(1,1,0)
 和歌山(3,3,0)
 鳥取(1,1,0)
 島根(1,1,0)
 徳島(0,1,0)
 熊本(2,3,0)
 長崎(0,1,0)
 大分(0,2,1)
 鹿児島(1,3,0)
 合計(136、159,36)
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 結局、データを集計してみて驚いたのは、たしかに秘湯過疎地と思っていた「北海道」「九州」で、秘湯の数が増えていたことである。九州はなんと3個から9個への大躍進である!北海道も似たような傾向が見られる。全体としては、6年間で24箇所増えたことになる(純増は23カ所)。
 ちなみに、山梨県のように秘湯の数が減ってしまった県もある。温泉(嵯峨塩温泉)が無くなったわけではないので、これはグループからの離脱(「日本の秘湯」ではなくなった)と考えて良いだろう。
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 本日のマラソンレース(成田POPラン・ハーフ)、結果は、1時間45分59秒でした。ネットタイムは、1時間45分50秒。数年前より6分ほど時間短縮でした。暑くなかったこと、湿度が適度にあったことなど、走りやすいコンデションでしたが、アップダウンの多いコースなので、この記録は立派です。