オランダ便り(山本さんから): エクアドル(首都キト―)に新空港が開港

 数年前にツアーで訪問したエクアドルに、新しいエアポートが誕生した。当時でも北米への切り花輸送が盛んだったが、新空港ができて欧州への空路が開けたようだ。物流のアクセスが改善されたことを伝える記事が、オランダ在住の山本清子さんから届いた。紹介する。

 
 以下のような記事は、北米へ向けた切り花生産国(エクアドル)に限定されるわけではない。
 今後は、同様な形態の空港設備のインフラ改善は、アジア諸国でもはじまるだろう。となると、いままで以上に、中南米、アフリカ、東南アジアから切り花輸入が増加するものとみてよい。
 また、日本の量販店では、切り花の輸入を前提にした花販売が本格化する。というのも、従来は、遠い国から品質の劣化に心配がある花を輸入せざるを得なかった。

 まちがいなく、日本はTPPに参加することになる。そうなれば、その代償として、非関税障壁のひとつである「植物検疫制度」にメスが入れられる。ひとつの兆候として、最近になって、米国産牛肉についてはBSE検査基準が緩和されている。
 つぎに予想されるのが、農水省による植物検疫体制の緩和である。なぜならば、日本が国策として、農産物の輸出促進を狙うのであれば、逆に、生鮮品(農産物)に対しては、海外から規制緩和を求められるからである。国際貿易とは、基本的に互恵的な性質のものである。
 したがって、生鮮品である輸入切り花に関しては、いち早く解放措置が取られると考えてよいだろう。花き農協(全農の花部門)は、農業分野の中では強力な圧力団体とはみなされていない。

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 「エクアドルの切り花の新しい販売地」(2013年2月25日)

 新空港Quito開港により、エクアドルの切り花生産者は、直接、切り花を更なる多くの目的地に納品可能となる。
 新空港建設には、6億3000万ドルを掛けた。これは、南米で一番長い滑走路(4100メーター)を有する空港となる。エクアドルは、さらなる新しい目的地に切り花を空輸することが可能になった。

 中継地
 その他に、旧空港からでは中継地での給油が必要だったが、長時間の寄ちよりがなくなった。旧空港の滑走路は、大変に短く、空港は高度のところに位置していた。満タンで離陸する事が出来なかった。

 直通便
 切り花を、直接マドリド、アムステルダム、サンパウロ、ニューヨークに空輸できる。これが、空輸代金に影響を与えるかは、まだ判明していない。

 敏速なる対処
 新空港は、2月20日にRafael Correa大統領により開港された。空港の施設は、先進的で優れた設備を有している。切り花を集中して円滑に処理できる機能の施設である。いままで以上に、切り花が敏速に処理できるので、損傷のチャンスが少ない。
 輸送代理店が切り花を荷受するため、カーゴセンター並びに、新空港へ繫がる道路が完成することになっている(現状では未完成)。そのため、当分の間、生産者は旧空港を使用することになる。パレット作成業者の事務所もまだ建設中である。

出典元:Vakblad voor de Bloemisterij