本日フィールドワーク最終発表会: 雪が降るのか雨になるかは、当日にならないとわからない

 本日、夕方から学部ゼミ生による「フィールドワーク」の最終発表会がある。4つのグループが10か月間をかけて企業の方と取り組んできた成果を発表する。あいにくの天気である。朝から雪になるという予報だったが、千葉県西北部は現在、冷たい雨が降っているだけである。



 フィールドワークが正式にはじまったのは2004年(IM研究科開学)からである。毎年4つの企業とのコラボレーションのアレンジ(=提携のお願い)は、学生が考えているほど簡単に実現できているわけではない。その後の活動をフォローアップすることも含めて、私自身の研究時間を相当に奪っている。
 500頁を超える英語のマーケティングテキストを輪読するよりも、学生にとってはきつい活動である。企業の方から怒られることもある。逆に、担当者が学生の意見を取り入れてくれないこともある。その調整役をかって出るタイミングもむずかしい。
 学生たちの間では、先輩と後輩にコミュニケーションギャップが生まれて、泣き出す学生も出る。毎日がこれ戦いである。本学の他のゼミや他大学の先生が、わたしの方式をまねようとしても無理だろう。忍耐と愛情と企業(経営者)とのコネクションがないと運営はむずかしい。

 いろいろな障害があるのに、それでも本日どうにか、4班ともに首尾よく最終発表にこぎつけることができた。

 調査手法が斬新すぎて、プロモーション効果の測定がむずかしかった「デジタルサイネージ班」の結果がもっとも心配だった。測定結果は微妙なところらしいが、ギネスビールとチーズの関連販売はうまくいったようだった。ツナ缶詰も、POPを上段に付けてからは効果が上がっていると、リーダーの小川君からの報告があった。
 「松川弁当班」は、駅弁屋祭で販売されている「鶏めし弁当」の味などが改善されて、販売が継続になっている。最近になって、東京駅で二回ほど買って食してみたが、リポートがかかるレベルに水準が上がってきている。5月には、新宿高島屋が主催しているフェア「大学は美味しい!」に、「山形プレミアム弁当(2013年版)」を出品する話が進んでいる。

 「ヤオコー花班」は、山崎トレーナーから「小川先生は来ないの?」と督促メールを受けとっている(すいません!山崎さん、前期は二回も八王子まで行ったので後期はご勘弁を!)。ありがたいことに、ヤオコーさんは、学生たちの提案をすべて受け入れてくれている。月一回のフェア「ざ・ばら祭り」では、枯れたバラを持ち込んだ顧客に新しいバラを提供するというサービス(学生の提案)を実現してもらった。
 「カインズ班」がもっとも苦戦した原因は、新しいデザインの製品が発売されるかどうかがわからなかったことだった。それでも、担当の西片さんと店長さん(カインズホーム)のバックアップで、とにかく、女性向けのカー用品を実車に装着してデモンストレーションができた。これも滑り込みで、奇跡のような成果である。
 
 来年度のFW(フィールドワーク)は、新たにふたつの企業とのコラボレーションがはじまる。2チームは継続になる。どれがどれかは、決まってからのお楽しみである。
 学生たちへ! 本日のプレゼンしっかりやりなさいね。3年生はプレゼンが二度目ですから。

 なお、本日の発表会に出席して、各チームの採点に加わっていただく社会人の方(卒業生OB・OGと企業の参加者)には、松川弁当店から「鳥めし弁当」がプレゼントされる予定になっている。お楽しみに。