後日談: 「スティーブ・ジョブズ」のメガネを注文しました

 「ジョンレノン・モデル」の新作(復刻版)をオーダーしようと思って、鎌ヶ谷のパリーミキに寄ってみた。昨日の講演の直前である。「ジョインの金属ネジが曲がっていて、もう直せません」と、あるメガネ屋さんに言われていた。観念して、新しいフレームをと思い、馴染みの店に立ち寄ってみたわけである。

 ところが、パリーミキの店員さんは、とても良心的だった。わたしが持ち込んだ旧式のジョンレノンモデルを見て、ペンチを取り出した。わたしとしては、壊れたメガネと同じ度数で、新しいフレームに替えてもらうつもりだったのだが。
 わたしがリクエストを言う前に、店員さんは即座にフレームを手にとって修理ブースに入っていった。随分時間がかかっているなと思っていたら、10分後に顔を出した。「どうにかお直しできました。あまり長くは持たないからもしれませんが、まだ使えると思いますよ」。
 まるで新品に見えるジョンレノンを、わたしの前に差し出した。実のことを言えば、昨日のブログを読んだ元大学院生の小川浩孝さんから、修理に関するアドバイスのメールをもらっていた。
 「数千円かかるかもしれませんが、確実に直してもらえるところがありますよ」。修理屋さんのコンタクト先を教えてもらっていたのである。それが、期待してもいなかったのに、「新品」のジョンレノンが復活したのである。
 
 この時点で、自分の先の反応が予想できた。「パリーミキ鎌ヶ谷店」に対するわたしの顧客ロイヤリティが、これまでになく上昇した。アクロスモールにあるTGCより値段は高いのだが、しばらくは通常のメガネはこの店で買い続けることになるだろう。
 もうひとつ。即決で、代替品の新品のメガネをオーダーすることになった。いまのジョンレノンモデル(7年間使用)は、いずれ使えなくなることがわかっている。レンズも古くなっているし、フレームの金属はかなり疲労して傷んでいる。
 店員さんが、おもしろいことを教えてくれた。
 「スティーブ・ジョブズは、シアトルにある”パリーミキ”のお客さんだったんです。ジョブズは、ジョン・レノンのファンだったので、”丸めがね”をしていたでしょ」
 ジョブズが愛用していた丸めがね(ジョンレノン・モデル)は、特殊加工を施してあるメガネだったらしい。「ホワイト・・・」という金属加工に関する説明が店員さん続いた。
 「じゃ、わたしも、スティーブと同じモデルを!」と嬉々としてわたし。
 というわけで、昨日、店頭で選んで注文したのは、ジョブズがかけていた丸メガネに限りなく近い、ノーブランドのフレームである。ジョンレノンではないが、かまわないだろう。現在の丸めがねにはかなり近い形である。

 こんなことがあったので、昨日のJCSI講演@東京フォーラムでは、復活したメガネ(ジョンレノン)で、「戦略的顧客満足経営のススメ」の話をすることになった。
 二回講演(同じ内容)だったので、片方を今風のTGCめがねにしようかとも思ったが、やめた。パリーミキの店員さんの努力を尊重して、どちらの講演でもジョンレノンにしたのである。わたしは、こういうときは忠誠心が高いし、しばしば縁起をかつぐ。
 そして、次回の講演は、”スティーブ・おがわ”で、パフォーマンスをするつもりでいる。