メガネのフレームを”ジョンレノン”から”T.G.C.”に変えてみたら、

 大学教授になってから20年間、丸ぶちのメガネをしてきた。「ジョンレノン・モデル」と言われるブランド・フレームである。復刻してはまた絶版になるので、常時、3つくらいを在庫しておいた。バージョンは変わるのだが、基本は同じモデルを使い続けてきた。寝るときに、枕元の左側に置いて眠りにつく。



 ところが、一週間前に、うっかりしていて、メガネを床に落としてしまった。寝相はいいほうだとおもうが、落としてしまった原因はわからない。
 ド近眼である。悪いことに、朝起きてトイレに立ったときに、そのまま足で踏んづけてしまった。スチール製なので、ジョイントが曲がってしまった。手で直そうとしたが、結局は、フレームにヒビが入ってしまった。
 持ち込んだメガネ屋で聞くと、修理不能で代替品を買うしかないとのこと。もちろん、”ジョンレノン”の在庫がひとつはあるのだが、この際、今風のおしゃれメガネを買ってみようかと思いついた。衝動買いである。
 スポーツクラブ(NAS)が入っている新鎌ヶ谷のアクロスモールに、「T.G.C.」というメガネチェーンが入っていることを知っていた。”Tokyo Girls Collection”ではなく、”Tokyo Glass Company”の略である。わたし自身、なんとなく、社名が気にもなっていた。

 いつも買い物は超特急である。商品選びで、あちこちほとんど迷うことはない。3つくらいのモデルを、若い女性店員さんに推薦してもらった。ZOFFがはじめたメガネ小売のSPA業態である。いまやいくつかのチェーン店がある。レンズとフレームで、だいたい3つくらいの価格帯である。どれも1万円以下。
 結果として、一番高い8500円の濃紺のフレームを選んだ。そのとき、アローズの紺スーツを着用していたからである。女性店員さんに、「今風で、スーツにお似合いですよ」とおだてられて、即決した。

 この一週間、新しいメガネにしたことで、楽しみがひとつ増えた。友人や学生、仕事仲間や教職員の反応がおもしろいのである。まず、わたしの顔を見て、3種類のカテゴリーがいることに気づいた。
 第一グループは、メガネを変えたことにまったく気がつかない人たち。なんとなく怪訝な顔をして、ようやく、「メガネ、新しくなったんですね」と気がつく人が、第二集団である。最後は、即刻、「メガネ、変えましたね」と突っ込んで来る人たち。第二カテゴリーが、人数的には一番多いようだ。
 とりあえず、しばらくは、このTGCメガネで過ごそうと思っている。ただし、手元用には、いまでもジョンレノンモデルのものを用いているし、旧式のレノンモデルを、もう一種類は在庫している。こちらに新しいレンズを入れて、両者を併用しようかと考えている。
 「ジョンレノンの方が、学者さん的」というご意見をいただいてもいる。それとは逆に、8500円のTGCは、「ビジネスマンのように鋭い感じがする」らしい。

 というわけで、本日のインテージさん主催のJCSI講演(@東京フォーラム)では、ビジネスマンになってみようと思っている。10月の東京・名古屋・大阪とほぼ同じテーマ、「戦略的顧客満足経営のススメ」で話すことになっている。 
 デザインの異なるメガネで、同じ話をする。聴衆の反応が、どのように異なるのか、興味津々である。困った性格だなと、自分でも思う。ほんとに、お遊び人間だ。