オーストラリア訪問記録#7:切り葉生産が資源保護に役立つ?

 ツアー最終日は、FAQI(クイーズランド花き協会)のメンバーふたりの農場とパッキング施設を見せていただいた。「シダーグループ」のニック・ハッチントンさんと「トッブ・オブ・ザ・レンジ・フラワーズ」のローディー・バーメイヤーさん(FAQI会長)である。


「シダーグループ」は、海外にオーストラリア原産の切り葉を輸出している。スティールグラス、フレクシグラス、アンブレラグラスなど、約30種類。フラワーアレンジメントの素材として、世界中で使用されている。

 州政府が所有している森林の下草を山取りし、予冷、パッキング後に海外向けに航空便で送っている。日本向けは、ブリスベンから成田に直接送る。

 まだ日本であまり見かけないおもしろい素材がある。国有林なのでとくに、資源の維持には配慮している。スティールグラス(全体の60%)やフレキシブルグラスなどは、採集後に再生までは6ヶ月かかる。その間の資源保護を厳密に実施している。

 この会社は、ある意味で、社会的な役割を果たしている。というのは、森林では山火事が起こったり、産廃業者が違法投棄をしたする。朝4時から午前中にかけて、同社の従業員(カッター、きこり?)が4WDで山中深くに入っている。期せずして、家事や違法投棄を監視することになる。また、下草を刈ることをしているので、森をきれいにしていることにもなる。