日本経済新聞社の書評欄に紹介された即日(3月27日)に、ネット書店のアマゾンでは、『しまむらとヤオコー』の在庫がなくなった。30冊はあったはずだ。朝から、順位の変動(最高300位)を眺めていたが、一日で完売してしまった。
そのあと、二日くらいは、アマゾンの物流センターには在庫があったようで、「5~7日でお届けします」だった。それが、一昨日あたりから、「一時的に在庫切れ」に表示が切り変わった。
小学館からは、月曜日(28日)には二刷り分の在庫が補給されていたはずだ。だから、市川にあるアマゾンの物流センターが、震災の影響で十分に機能していないのでは?そんな観測がなされているらしい。
その余波で、拙著の中古本がよく売れている。アマゾンの中古本(1100円)は、数冊が上場されていたが、書評が掲載された翌日には完売。現在は、4000円の中古本が二冊も、売りに出されている。
別々の中古書店からである。でも、おおもとは同じではないのか?そんな推測をしてしまう。ラブホテルやソープランドの経営と同じである。隣り合った店の表看板は、別々である。しかし、ホテルの経営は共通である(このネタは、某大学教授の友人の建築家が情報源である)。
以下は、まったくの憶測である。中古本を売買しているのは、その道のプロの業者さんではないか。というのは、拙著が発売された1月26日に、すぐに初版の店頭在庫(ネット含む)がなくなってしまった時期があった。
発売後二週間の、2月の中旬である。ネット書店では、中古本に3700円の値段がついていた。1000円代の中古本は、瞬く間に売り切れた後である。
今回も同じ現象が起こっている。1000円代の中古本が品切れになるのを見計らったように、最高値の4千円で表示がなされているのだ。
推測だが、こうしたプロの業者さんは、何らかの販売プログラムを持っているのではないのか。タイミングと言い、値段のつけかたといい、専門性を感じさせる。
出版社側の事情(簡単には増刷の意思決定ができない)とネット書店の事情(在庫をたくさんは保有ができない)で、思いのほか(たぶん拙著もその事例)、当初売れ行きが良い本が出た場合、新本の販売ではチャンスロスが生まれる。
書籍や雑誌には、「再販売維持価格制度」という商品特性がある。ふつうの商品ならば、値段を上下させて需給を調整することができる。
ところが、書籍や雑誌は定価で販売される、制度には欠陥がある。その間隙をついたビジネスが可能である。増刷までのわずかな品不足の瞬間に、値段の高い中古品を投入することで、裁定取引を狙うことができる。
わたしの手元にも、十冊程度の新本がある。これを上場すれば、高値で売ることができるだろうか?たぶん、それはできないだろう。プロの技がそこにはありそうだ。実にタイミングの取り方が巧みなのである。
いずれにしても、アマゾンなど、書籍の物流ネットワークでも、東北地方の地震の影響をはげしく被っているようだ。正常なシステム稼働への復旧を願うばかりである。
なお、本日は、近くの病院(白井成人会病院)にて、半日ドックである。恒例の行事である。いくつか、欠陥部品が出て来ている。わたしも今年で還暦、ずいぶんと高齢になったなあ、と。
そのあと、午後には上京して、市ヶ谷の研究室で、「桜餅を食する会」を催すことになっている。
竹内淑恵先生が、銀座の「空也」の桜餅を、お昼に買って来てくださる。香りのよい桜の葉に包まれた桜餅である。わたしのために10個。もちろん、全部はひとりで食べるつもりはない。皆に、おすそ分けをする。
このブログを読んでいて、4月1日(エイプリルフールですよ!)の午後13時半に、小川研究室を訪れることができるひとは、先着3名様まで、空也の桜餅を食する権利を差し上げる。
希望者は、法政大学大学院、小川研究室(03-3264-9732)に、お電話を! 秘書の福尾美貴子に、申し出てください。お茶の用意もあります。
それでは、恐る恐る、人間ドックにまいります。歯医者の麻酔は好きだが、どうも採血の注射が苦手なのだ。気を失いそうになる。