開催出張の初日、予定通り新幹線米原駅には14時過ぎに到着。東口ロータリーで、米原市役所の丸山さんが待っていてくれた。小雨の中、来年から建設が始まる、まちづくりプロジェクトの敷地を案内してもらった。
その場所は、整地がほぼ終わっていた。横長の土地には、今のところ建物や施設は何も建っていない。昔はJR西日本の操車場があった跡地らしい。高額な区画整理費用をかけて、整地した用地は転売するには高額になりすぎて、滋賀県と米原市は土地を売却できないまま、15年が無駄に過ぎた。
丸山さんの説明によると、ここをAIを駆使した先端的な農業技術をテーマに、同時に市民が憩える交通公園にコンバージョンする予定になっている。アイデアは、AIで有名な新井紀子教授が提案したものらしい。わたしも、ワサビの種子の保存を目指してこのプログラムに絡ませてもらっている。
米原から伊吹山の麓の辺りには、蕎麦の原種とわさびの固有種が自生している。米原市が駅前にAI農業のテクノパークを開発をするときに、二つの棟を蕎麦とわさびの保存施設に!と提案してきた。プロジェクトに採択してもらえるかどうか、その成否は今のところ不明である。
しかし、実現すれば、滋賀県ためにも米原市のためにもなるだろう。申し訳ないが、新幹線が止まる駅なのに、米原はこれと言った特徴のない人口約4万人の市である。
彦根のように全国区に進出するには、何か特徴のある出し物が必要だ。それが蕎麦とワサビのである。米原市がいまヤンマーやデンソーと取り組んでいる、中途半端なトマトやいちごではないだろう。
そんなことを考えながら、米原市を後にした。丸山さんには、近くの古民家カフェに案内していただいた。プロジェクトで取り組んでいる温室で収穫されたトマトや苺を、スイーツに加工して販売している。
オーナーは、山室義治さん。彦にゃんのゆるキャラをテーマに、グッズや土産物を製造販売しているやり手の経営者だ。株式会社ベースワン代表取締役。物腰は柔らかいが、成功者の顔相をしている。
カフェに置いてある完熟のトマトは新鮮で、販売は好調に見えた。食べてみたが、確かに甘味が乗って美味しい。品種は桃太郎だろう。
山室さんには、一つの宿題をいただいた。趣味で取り組んでいる花の会社が運営している庭に、紫陽花を植えたいとのこと。そこでわたしから提案をした。
せっかくだから、育種家の坂崎潮さんが、今年から日本で流通させる匍匐性の紫陽花を、山室さんの庭に導入しては?近くだから、坂崎さんを山室さんに紹介するつもりだ。
坂崎さんがドイツから帰ったら、紫陽花とわさびでコンタクトをとるつもりでいる。
関西出張の初日は、京都嵯峨嵐山のいのうえで、ともみと林さんご夫妻との会食で終わった。贅沢な食事のオンパレードについては、小川のインスタ写真をご覧ください。