無意識の逆走 @38度の熱波が到来した京都駅のバス停にて

 うっかり者のわたしは、しばしば逆方向の電車に乗ってしまうことがある。ホームで待っているとき、先に目の前に来た車両に反射的に乗り込んでしまう習性があるからだ。昨日は、バス停でめずらしく同じことを経験した。マイファームの取締役会に出席するため、京都駅のロータリーでバスを待っているときだった。

 

 205系統のバスが目の前にやってきた。ふつうは京都発で交通公園前(昨日の目的地)を通って金閣寺に向い、ぐるりと京都駅に戻ってくる路線だ。右回りの205B系。この系統に205A(逆回り)があることを知らなかった。205Aは、左回りの路線である。

 205のスタンドに並んで待っていると、先に来たのが205Aだった。つまりは逆回り(205A)のバスに吸い込まれてしまったのだ。いつもとはバスの動く方向がちがう。バスは東の方向に走っている。一瞬、逆走しているではなかと思ったが、迷走しているのは、うっかり者のわたしの方だった。

 次のバス停で降りて、京都駅に引き返すこともできる。また205Bに乗りかえれば、わずか10分で交通公園前に着くだろう。でも、17時開始予定の取締役会までは75分もある。京都の街をそのまま逆に回ったとしても、楽々に間に合いそうな時間だ。

 今日は祇園祭の最終日。山鉾巡行の日でもある。京都観光を兼ねて、左回りの205Aに乗って街を半周することにした。40分もあれば、めざすバス停にたどり着けるだろう。

 

 ところが、逆走しているバスが、なかなか金閣寺前に到着しない。すでに40分が経過している。地図の上では、205系Aのバスが京都駅に戻っている時間だ。立命館大学前に到達したのが、午後16時30分。祇園祭で道がやけに混雑している。気がついてみると、会議の開始まで30分しか残っていない。

 そのとき、車内でアナウンスがあった。「混雑のため、このバスは予定より6分遅れて運行しています」

 それどころか、このバスは10分以上は遅れているだろう。これはまずい!

 グーグルマップで現在地をチェックする。マイファームのビルまではさらに10KM。混雑の中で、時間通りに会議に間に合うだろうか? 計算上は10KMを30分だから楽勝のはずだ。しかし、無駄な時間を30分ほど余分に費やしている。

 

 結局は、開始時間に間に合ったのだが、反省は、いつもながら目の前に来た電車(バス)にそのまま乗ってしまう習性が直らないことだ。皆さんはどうだろうか? わたしのような習慣は持ち合わせている?血液がO型の人に、うっかり人が多いらしい。

 同僚の大久保あかね先生が、わたしと同じく「逆走教員」を標榜している。彼女によると、「わたしは単なる注意不足ですが」とのこと。いやいや、わたしの場合は、もっとたちが悪い。「動くものに瞬間的に反応する悪い癖」を持っているようなのだ。

 乗り過ごしと逆走を防ぐ、うまい手立てはないものだろうか? この年になると、抵抗しても無益なのだろうか。