第9回サマークロスカントリー千葉(10kmトレイルラン)、5KM地点で途中棄権

 昨日のことである。自宅から1時間10分をかけて、外房線の土気駅にある千葉昭和の森に向かった。第9回サマークロスカントリー千葉、10kmのトレイルランを走るためである。先週の赤羽5KMに続いて、横浜マラソンの練習レースである。スタート時刻は13時15分。一気に気温が上がる時間だ。14時頃には、外気温が30度を超えてしまうだろう。

 

 午前11時、高砂駅から京成線に乗り込んだ。幸いなことに、お日様が少しだけ陰ってきた。千葉駅で上総一ノ宮行きの外房線(千葉駅12時11分発)に乗り換えた。電車の中は、半分くらいが走る格好をした乗客たちだった。土気駅で降りて、昭和の森行きのシャトルバルに乗り込むランナーたちだろう。
 3つ先の土気駅着が12時32分。土気駅の北口には、トレイルラン会場行きの送迎バスが待っているはずだ。スタート時刻にぎりぎり間に合うタイミングではある。午前中に、20km、5km、2.5kmなど、その他すべてのクラスのレースが終わっている。残るのは、わたしたちが走る10kmのみだ。
 ゆっくり間に合いそうなので、10kmにエントリーした。2か月前のことで、めずらしくトレイルランにエントリーした。普通のレースが開催されていないからでもあった。しかし、その時点で、この暑さは想定していなかった。少しばかり安直だった。

 

 前日は、自宅から水元公園まで6km走った。30度を超す暑さで、かなりへばってしまった。朝方に、連日10kmが走れるかどうか心配だった。最初から走るのは辞めようとも思ったが、シャワーを浴びたらやる気が戻ってきた。エントリーフィーの4千円ももったいない。
 とりあえず1周2.5kmの周回コースだから、行けるところまで行ってみよう。途中リタイアしてもいい。そう思って、京成線とJRを乗り継いできた。千葉から外房側に出るのは久しぶりになる。昔は、高滝湖のハーフマラソンなども頻繁に走りにきていた。
 あと2駅先が土気駅になる。まずはシャトルバスが来ているはずの北口に出る。電車の中で、ヴィダーインゼリーとアミノバイタルのパウダーを2本飲んだ。

 

 *ここから先は、走り終わってから書いた文章である。

 

 土気駅に着いたら、シャトルバスが待ってくれていた。会場行きの最後のバスで、このバスの乗客はわたし1人だった。小銭で300円を払う。送迎バスの担当者が、「よかった、よかった」を連発していた。わたしが乗りこまないと、送迎バスを空で会場まで走らせることになるからだった。
 12時40分になった。もうランナーは電車から降りては来ないだろう。出発進行。受付の机をバスに積み込んだ。

 

 トレイルラン会場の千葉昭和の森は、はじめて訪れる場所だ。45歳の時から26年間走っているが、千葉方面で走れていない場所はもうないものと思っていた。こんなに緑が豊かな森の会場が、千葉駅から30分の所にあるとは驚きだった。たくさん写真を撮ってインスタにアップした。

 会場到着は、10KMのスタート25分前の12時50分。12時からレースの事前説明が始まることになっている。10分でゼッケンを装着して、手首に輪ゴムを巻いた。一周2.5KMだから、3本の輪ゴムを周回が終わるたびに、ゴールラインの箱に放り込むのだ。スタート時の気温は35度を超えるらしいとアナウンスがあった。危険な予感がする。

 行きの送迎バスの中で、ボランティアンの老人たちから、「午前中に4人が熱中症で救急車で運ばれた」と聞かされた。レースの説明時にマイクをもった司会者からは、「10KMのレースが例年はいちばん熱中症の方が多く出てます」と追加情報があった。わたしの内なる声は、、、「それくらいなら、スタート時刻を午前中の涼しい時間にもっていくべきだろうが、、、」。

 

 10KMの参加者は、300人ほどだった。3人ずつ一組になって、ショットガンスタイルで時差式にスタート。わたしは、ずいぶんと後ろからスタートすることを選んだ。1KM6分半くらいのペースを想定していたからだった。

 スタートしてすぐは、走路面が安定しない凸凹の芝生の上を走ることになった。嫌な予感がする。アスファルトの舗装面に慣れているので、このパターンは苦手だ。トレールランが得意ではない理由の一つが、走路面の凸凹にある。一周2.5KMは、15分30秒で周回を終えた。暑いけれど、まずまずのペースだった。

 ところが、予想通りに2周目に入ると大きくペースダウン。気温も35度を超えている。一周目はなんなく上がり切った坂道も、二週目はしんどく感じた。これはまずい。木陰がほとんどない芝生の上を走っているので、カラダの消耗が激しい。4KM地点を過ぎたところで、2周の5Kmでリタイアすることを決めた。

  

 5キロでリタイアした時点で、途中タイムは35分17秒。先週の赤羽5KMが、30分ちょうどだった。アップダウンがあるコースとはいえ、完走は難しいペースだった。他のランナーがまだ走っているのを横目に見て、計測チップを外してもらった。自分で外す気力が残っていない。ゴール脇の木陰に入って休んだ。

 汗がまだ引かずに、だらだら流れている。スポーツドリンクが甘く感じられる。ポカリスエットではない類似品だからだろうか。

 途中棄権は、コロナの流行が始まる3年前の横田基地でのレース以来である。あの時も夏の暑い時期のハーフだった。どうやらわたしは夏場のレースは控えた方がよさそうだ。この先、横浜マラソンまで8つのレースにエントリーしている。しかも追加も考えている。朝方に練習時刻を移動しないと、横浜の完走は難しそうだ。

 しかし、昨日の棄権は勇気ある撤退だったと思う。あのあともうひとり、午後のレースでは熱中症で倒れたランナーがいて、ボランティアの人たちが救急車が来るのを待っていた。危険な夏場のトレイルランではある。