オンナ心をつかめば、どんなビジネスでも成功するはず。女子高生や20代なら、ファッションやメイク。30~40代なら、結婚や子育てあたりを狙えば、まずハズさない。では、50~60代のオバさまは、どんなものにお金を出すのか?
中高年の女性に向けたサービスが、いま急増しているナットクの理由とは?
都市部を中心に急増しているフィットネスクラブ「カーブス」。同店の特徴は女性専用ということ。女性をターゲットにしたビジネスは、これから期待大?
「女性向けなら無条件に儲かるわけではありません。カーブスが伸びているのは、女性の中でも50~60代の中高年層をターゲットにしているからです」
と解説するのは小川孔輔先生。たしかに同店の利用者のうち、半数以上が50~60代女性です。
「20代女性は可処分所得が少なく、30~40代になると、おひとりさまは仕事、専業主婦は子育てに忙しくてお金を使う暇がない。お金と時間を存分に使えるのは、子育てが終わった中高年の専業主婦。女性の中でも、とくにこの層に絞ったビジネスが成長しているのです」
おしゃべりの場所を求めて50~60代の主婦層が殺到!
50~60代女性を呼び込むために、どのような工夫をしているのか?そのキーワードは“手軽さ”です。
「一般的なフィットネスクラブは月会費1万円前後ですが、カーブスは月5900円から。また同店はプログラム制を採用していて、時間は1回30分と短め。リーズナブルな価格と短時間プログラムなら、主婦層も買い物帰りなどに気軽に利用できます」
低料金を実現できたのは、設備費や家賃を抑えているから。
「カーブスはマシンのみで、プールはありません。プールなしなら、30坪程度のスペースで営業可能。30坪はコンビニの標準的な広さです。おそらく閉店した駅近のコンビニ跡地などを狙って出店して、コストを抑えているはず。私の試算だと、設備の減価償却で月20万円、店舗家賃20万円です。他に人件費90万円、その他の経費20万円だとして、1か月にかかる経費は150万円前後。1店舗あたり月会員数250人あたりが損益分岐点ではないでしょうか」
じつはカーブスが中高年女性にウケている理由は、もう1つあります。
「女性専用フィットネスは、都会における井戸端会議の場になっています。近所で立ち話をするような濃密な地域コミュニティは消えつつありますが、主婦たちの『情報交換したい』『おしゃべりして発散したい』という願望がなくなったわけではありません。彼女たちは同年代に気軽に会い、男性の視線を気にせずおしゃべりができる場所を求めています。女性専用フィットネスは、そうしたニーズにうまくハマったのでしょう」
女性の心を満足させる法則をカラオケにも応用!
カーブスを展開しているコシダカホールディングスは、フィットネスクラブの他にも「カラオケ本舗まねきねこ」を運営。都市部での認知度は低いですが、店舗数は全国1位。
地方では、30分10円という格安料金でよく知られたカラオケチェーンです。
「じつはまねきねこも、主なターゲットは、暇を持て余した中高年主婦層です。低料金で主婦層を呼び込み、井戸端会議の場として気軽に使ってもらうというビジネスモデルは、カーブスと同じ。それを郊外でやっているのがまねきねこ、都会でやっているのがカーブスです」
低料金で、50~60代に井戸端会議の場を提供。女性をターゲットにするなら、この2つが成功の秘訣です!