「日本マーケティング学会」の設立: 法政大学で11月に設立総会を開催

 日本マーケティング学会の設立に、知らないうちに巻き込まれている。もう学者は引退。この先にやるべきこともある。「正直、困ったなあ」と思っていたところに、初代学会長の石井淳蔵さん(流通科学大学長)から突然メールがあった。「設立総会の実行委員長を引き受けてほしい」という依頼だった。

 11月11日に、法政大学の「薩ったホール」がたまたま空いていたので、「では、設立総会にも利用してください」と、最低限の貢献をしようと申し出た。どうもそれが裏目に出たらしい。
 「ウエブ委員会」が設立されて、友人の古川さん(一橋大学)と本学の西川さんが、その担当者に決まっていた。その流れで、「11月11日に御校で開かれる設立総会ですが、どなたか魅力ある方の講演とパネルディスカッションの企画構成について、提案して頂けないでしょうか?」(石井さんのメール文面)。
 石井流の”殺し文句”がそれに続いていた。「研究者だけでなく、MBA生をはじめ企業で活躍するマーケターを引き付ける。そして新しい交流のきっかけとなるイベントを考えて頂くのに、小川ワールドはピッタリと思います」

 自分の世界観を「よいしょ」されると、人間は弱いものである。一晩考えて、実行委員長をお引き受けすることにした。嶋口さん(元法政大学教授)や新倉さん(法政大、消費者行動論)も、うちにゆかりがある人である。
 そのほかにも、マーケティング学会を担ってくれそうな中堅の学者が、本校にはたくさんいる。責任を果たす意味でも、設立および第一回全国大会の実行委員長を担当することにした。
 企画案は、現在、検討中である。腹案はあるのだが、基調講演者などがまだ確定していないので、公表はできない。統一テーマは、「グローバル・ブランディング」になりそうである。
 
 単に、基調講演の後、パネルディスカッションではつまらない。そこで、西川さんの発案から、各大学のビジネススクールで学んでいるMBA現役生や、現役ビジネスマンの卒業生を対象に、ある企画を考えてみた。
 それは、文部科学省の科研費補助金で実施しているプロジェクト、たとえば、「アジアにおける日本企業のマーケティング」(小川)や「商業と新貨幣?」(石井先生)などに、実務家の参加を促そうという試みである。どうやら、わたしが現在実施しているような共同研究の今を、実務家に向けて発信することになりそうだ、
 その中で、アジアを念頭に置いた「企業発のプログラム」を紹介してみたいと思っている。さて、その結果と反響はいかに。秋には、新しい運動が始まることになるのだろうか?また、余計な仕事を増やしてしまいそうだ。困ったな。