英会話というと授業料が高額なイメージがある。が、最近は、インターネットを使った破格の英会話教室が登場!
いったいどうやって、安さを実現している?
英会話と時差。一見、何の関係もないこの2つを組み合わせて成功した最新のビジネスモデルとは?
海外とインターネットを通して外国人講師とレッスンするオンライン英会話教室。
人気の秘密は授業料の安さで、草分けである㈱レアジョブは1レッスン25分129円から。どうしてこんなに安い?
「レアジョブの講師はフィリピンの人たち。日本とフィリピンの賃金格差は12~15倍程度。だから、講師を格安で雇えるのです」と解説するのは、小川孔輔先生。国内で外国人講師を雇う場合、ネイティブ時給2000円、ノンネイティブ時給1500円が相場ですが、現地ならその1/12~1/15。コレなら、破格の安さを実現できます。
なぜ先生は英米人ではなくフィリピン人なのか?
安さの理由は他にもあります。注目は、無料のインターネット電話スカイプを使って、講師と受講生をつないでいること。
「レアジョブは予約システムを構築するだけでいいので、システム投資は最小限で済みます。またネット環境があれば場所を問わずにできるので、教室の賃料も不要。従来の英会話教室に比べると、コストはケタ違いに有利です」
ただ、たとえ安くても、英米人と比べてフィリピン人の多くは独特のイントネーションがあります。
「じつはいま、フィリピンは就業難。大学を卒業しても仕事にありつけない“高学歴ワーキングプア”が増えています。彼らは英語力が高く、発音もきれい。こうしたインテリ層を中心に雇用しているため、会話面でも英米人と遜色がないのです」
フィリピン以外の地域ではダメなもう1つの理由とは?
しかし、日本と賃金格差があり、英語が流暢に話せる人が多い国は他にもあるはず。
ネットで世界中とつながれるのに、なぜフィリピン?
「見逃せないのが日本との時差。フィリピンは日本より1時間遅いだけなので、講師と受講者の時間帯がピッタリ合います。一方、ヨーロッパやアメリカだと、アフター5に勉強しようと思っても向こうは早朝や深夜で、タイミングが合わない。ネットで場所の壁を越えることはできても、時差の壁は越えられません。フィリピンの英会話教室は、ネットの性質をうまく活用した時差ビジネスといえます」
時差に注目したビジネスは、まだまだ開拓の余地があります。ぜひ新規事業のアイデアの参考にしてください。