おはようございます。今年最後の日になりました。昨日は、「劇団四季」の夏劇場@大井町へ、「美女と野獣」を見に行ってきました。来月上旬に予定されている「CSフォーラム」で司会を任されています。第二回のゲストは、二年連続CSナンバーワンの「劇団四季」だからです。
劇団四季(美女と野獣)を見に行く(行った)という話をすると、皆さんからは、とても良い反応がかえってくる。(無断で、ただし匿名で)携帯メールのやりとりの一部を紹介することに。
「劇団四季はいいですよね。感動しますよ!」(男性、山形県在住)
「たぶん、お気に召すと思います。私はキャストの肉体美にただただ感嘆!」(女性、教員)
「劇団四季大好きなのでとても羨ましいです。しかも美女と野獣」(女性、商社勤務)
「いいなー、見てみたい」(女性、花屋さん)
四季劇場の観劇経験率は、約60%。ヘビーリピーター率が、そのうちの10%。悪い印象の観劇者はひとりもいない。だから、JCSIの調査で、顧客満足度二年連続ナンバーワンは非常によくわかる。
3年前は、「東京ディズニーリゾート」がCS第一位だった。男性客の評価がこれほどまでに高いとなると、TDRは、この先も四季劇場を抜くことができないだろう。
キャストのフィジカルなパワー、ミュージカルとしての完成度の高さ、音楽と演出の質において、ほぼ同スコアのCS第二位、宝塚劇団の水準をかなりの程度、凌駕している。
宝塚でもそうなのだが、メンバー間で激しい競争原理が働いている。それが、ダンスや歌唱力のレベルを継続的に向上させている。両劇団では、トップスターに昇り詰めることは至難の技である。競争のないところに、踊りや歌の技能向上はない。
とにかく、プロパーの役者さんから構成されるキャストの質は日本最高。「ライオンキング」や「キャッツ」を見た人からの反応もすばらしい。わたしは、「なぜ、わざわざ「美女と野獣」なの?」と問われたくらいである。
舞台装置、大道具、小道具、マイクの音響効果もすばらしい。劇場と劇そのものは、非の打ちどころがない。だから、顧客満足度ナンバーワンなのである。
しかし、サービス業としてみたときに、劇団四季の運営に問題がないわけではない。以下は、ややきびしいコメントになる。最近、大井町に開設されたばかりの「夏劇場」に限定される課題なのかもしれないので、もしそうならば、再度、汐留のふたつの劇場なども見てみたいと思う。
(1)女性トイレの数
「美女と野獣」の上演時間は、おおむね2時間半である。前半90分、後半60分の幕間に、20分の休憩時間が挟んである。この演目は、ディズニーの原作で子供向けのアニメである。二階席は子供が多いファミリー席で、2時間半を通しで上演することは困難なのだろう。
90分のあとの20分の休み時間に、トイレ休憩に駆け込む観客が約半分ほどいる。聴衆の数は、1、2階を合わせると、約1200人ほどと見た。ということは、600人が15分以内に、二か所あるトイレに駆け込む計算になる。
わたしは二階席で観劇した。必要なトレイ数は、300人分である。スペース配分は男女半分。しかし、女性客の比率は、およそ80%。女性トイレは、休憩中に200人分は必要である。
男性トイレは、小の便器が4つ、大が3部屋である。充分に数は足りている。問題は女子トイレである。中を見たわけではないが、休憩がはじまった10分後に、二階のトイレの前には50~80人の女性が列を作って並んでいた。明らかに数が不足している。
シミュレーションするまでもない。二階の女子トイレの部屋数は、推定で10か所。ひとり2分間で1回転?するとして(男子は30秒!)、10分では50人しかさばけないではないか。明らかな設計ミスである。これでは、いずれに夏劇場の評価に影響するだろう。「(他ならいいけど、)夏劇場はなあ、」となる。
もしかすると、映画のように、休憩を取らない演目を、最初は想定していたのかもしれない。
(2)帰り道の誘導
劇場敷地の隣に、民間運営の駐車場がある。かなりの台数が止められる施設である。ところが、この城壁のような二階建て施設が、演劇がはねて大井町駅に戻るひとの「壁」になっている。
横長の駐車場施設の中間には、大井町駅に簡単に通り抜けられる細い通路がある。ところが、「私有地なので、通り抜けができません」となっている。この通路が通り抜け禁止になっているは、異常な印象を受ける。
寒い中で、社員のかたが道路に立って、献身的に公道に沿った「迂回路」に誘導してくれる。来場した客は、無駄な距離を約200メートルほど、徒歩では2~3分歩いて家路につくことになる。「駐車場の会社と交渉して、あの私道を通れるようにすれば、すっきりなんだがなあ」と思ってしまう。
夏劇場を作るときに、トラブルが発生したことを想像させる。些細なことなのだが、そのために、施設の印象があまりよろしくない。動員客数が増えて劇場の数を増やすのはよいが、そのために、四季全体のイメージが低下する危険性を心配してしまう。
最後のコメントは、主観と想像が入っている。しかも、夏劇場の一か所で、わたしは一回しか公演を見ていない。推測がまちがっていたら、お許しいただきたい。
以上、おわり!