オオハクチョウ八羽、白鳥池に飛来する(午前7時半ごろ)

 今朝、調整池の周りを走りに出ると、フェンスの向う側に10羽の白鳥を見つけた。「20分ほど前に8羽が飛んできたんですよ!」と、餌をあげている白鳥の会の3人が、うれしそうに話しかけてきた。わたしの知る限りでは、10年間で最も遅い時期の飛来である。



 二羽は、グレーの幼鳥である。今年の夏に、シベリアで生まれた子供たちだ。
 去年も飛んで来た白鳥の群れらしい。友の会のひとたちは、「顔」でわかるのだそうだ。「定着してくれるといいわよね」と、二人のおばさんたちが、心配顔で白鳥の会仲間のおじさんに話かけている。
 「定着(する)」と言うんだ。白鳥の会のひとたちは、古米の餌などをあげて面倒を見ている。フェンスの周りに、小粒の大豆がたくさんこぼれていたのは、餌まきのためだったのだ。

 「20分前に飛んできたんですよ!」。
 犬を散歩に連れて歩いているご近所さん(宍倉さん)に、わたし自身が、さも滑空した様子を目撃していたかのように話す。走りながら、自分を笑ってしまう。甲高い鳴き声を聞きながら、池の周りをいつもよりゆっくりと3周した。
 走り終わってから、「10羽になってましたよ!」と、玄関前に出てきた隣家の馬場さんに話しかける。「そうそう、今年は二羽だけで白鳥池がさみしかったですよね」と、奥さんからはニコニコ顔のあいさつが返ってくる。たぶん後で、新顔の白鳥を見に行くにちがいない。
 10月27日に飛んできた4羽は、途中でいなくなってしまった。ご近似のうわさだと、「いま池に残っている二羽に追い出された」らしい。白鳥ネタは、地域の人々の交流に一役かっている。

 白鳥が来ると良いことがある。
 一昨日は、有馬記念が行われた中山競馬場で、雪がちらついていた。昨日の新幹線は、関ヶ原の付近で、雪のために速度を落として列車を走らせていた。白鳥の飛来時期は遅かったのは、寒さがきびしくならなかったからなのだろうか。
 一昨年は、白鳥が来たころに、ダイヤモンド社の連載が無事に終わった。去年、新しい出版の企画が通ったのも、白鳥が飛んできたころだった。わたしにとって、オオハクチョウは「幸鳥」である。
 今年の正月も、10羽の白鳥を見ながら、一緒に池の周りを走ることになりそうだ。