世界第2位の切り花輸出国であるコロンビアでは、リーマンショック後は、輸出の減少に苦しんでいた。しかし、2010年は、ロシアや日本向けの輸出が増加して、復活の兆しを見せている。フローラホランド市場のニューズレターが、最近の状況を報告している。
「コロンビアからの輸出が増加に転じる」
米国のドル安、世界的な輸出競争の圧力にもかかわらず、そして、多くの花生産者を苦しめた数千ヘクタールにも及ぶ雨季の洪水を乗り越えて、コロンビアの花産業はふたたび、文字通りに「浮上」している。
この二年間(2008~2009)では、輸入がわずかながら減少し、コロンビアの花産業の将来に懸念が高まっていた。しかし、2010年にはふたたび輸出が増加に転じた。輸出は、12.40億ドル(約1000億円)で堅調に推移している。
すべての市場が復活を果たしたが、とりわけ非伝統的市場で、すなわち「その他カテゴリー」に分類される市場で輸出が倍増した。2009年の0.9億ドルから、2010年の1.74億ドルに、輸出金額が増えている。これまでの市場開拓の努力が実った形である。
「コロンビアフラワー協会」(フローレスコ)の分析によれば、2010年の輸出先では、ロシアと日本が伸びている市場である。その他のなかで、両国が特別にシェアを伸ばしている。ロシア人は、長い茎で輪が大きなバラを好むが、このタイプのバラはエクアドルが得意としている。品質のよいエクアドルのバラとの競争が激しい。
日本は、コロンビアのカーネーションにとって、重要な消費市場になりつつある。日本では、とくにミニタイプの花が好まれる傾向がある。
輸出される花の種類は、しだいに増える傾向になる。もちろん、バラが主要な品目であることに変わりはないが、30種類の「その他」の品目が、全体の30%を占めるようになっている。ここ数年で、輸出向けの栽培品目が多様化する傾向が止まらない。
また、花束に加工したブーケが、主として米国市場向けに増加している。生産が増加した品目としては、ガーベラやカスミソウ、デルフィニウム、金魚草、ひまわり、ゆり、スターチスなどといった切り花だけではない。花束の中に装飾のために用いられる切り葉なども、コロンビアでは栽培が増えている。
出典: HortiBiz(花ビジネス) 2011年7月29日