台湾便り(#2): QRコードは、中国語・日本語・英語の3ヶ国語で

「台湾花博」の会場に足を運んだ。公園を改造して行われている花の博覧会である。台湾中から人が集まってきている。対岸の「上海万博」を意識していることがうかがえる。政治的な考慮からなのか、この時期に開催したのは、たぶんそうなのだろう。


花博の会場は、だだっぴろい。ただし、テーマがいまいちはっきりとしていない。とくに、テーマはないのだ思う。むしろ、花がテーマの「テーマパーク」である。
 ミニサイズの「TDL」や「USJ」のようなものだ。子供たちは、けっこう楽しんでいる。それでいいのだろう。
 したがって、展示物や花そのものに、特筆すべきことは、何もない。本当に、植物や園芸という視点からは、美しい展示という一点を除くと、なにもない。それだけである。

 ただし、ひとつだけ、おもしろい経験をした。午後に、花畑の中を歩いていて、芝生の花壇にカランコエが植わっていた。花壇の脇には、小さなプラカードの「ネームタグ」が付いている。中国語で、カランコエは、「長寿花」である。鑑賞期間が長いので、そのような呼び方をするのだろう。
 よく見ると、QRコードが付いている。試みに、私の携帯(ソフトバンク:シャープ製)で、QRコードをスキャンしてみた。URLが表示された。そのままネットに接続すると、3ヶ国語で説明文があらわれた。文字をPCに転送したので、そのままを表示してみる。
 
 ネームタグのプラカードには「花博導覧感應標識」とあって、「長壽花」「Kalanchoe」「カランコエ」と3ヶ国語の表示がなされている。スキャンすると、
 
 語音導覽明 返回
 中華電信花博會語音導覽專線
 中文版:手機直撥52288
 English:手機直撥522881
 日本語:手機直撥522882
 市話用或非中華電信行動業者用請撥
 0928000528 52288 / 522881 / 5228
 (注釈:以上は、たぶん3ヶ国語別のコード)

簡介:長壽花
油油的葉片和一團團盛開的花看起來喜氣洋洋,不僅可以做為節日慶典的裝飾,更是工作升遷或是慶祝生日時很受歡迎的賀禮,所以也有壽星花的美稱。
 它原於馬達加斯加,卻很能適應帶或亞熱帶的氣候,花期從冬末到隔年春末,長達四個月之久,還有粉紅、粉紫、橘色、紅色等廿多個品種可以選擇。種植在室的長壽花

 (注釈、以上は、中国語でのカランコエの説明文だろう)
 
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 長壽花語音導覽服務及費率明
 學名:Kalanchoe blossfeldiana Poellnitz
 英名:Kalanchoe, Calandiva, Flaming katy
 簡介:
 (注釈、日本語の呼び名など)
 
 このように表示された。しかし、中国人の中には、わたしのように携帯をQRコードのかざしているひとを見かけることはなかった。花壇のほとんどに、説明のQRコードがついている。壮大な無駄になっている。恩恵を受けているのは私だけだった。
 教訓である。道具を使うには、説明が必要であること。台湾では、それでも、日本語は第二外国語のひとつであること。残念ながら、日本人観光客の誘致にはあまり成功しているようには見えない。会場には、日本人はほとんどいなかった。見るべきものがないのだから、仕方がないだろう。