【謹呈します】 岩崎・小川編著(2017)『メディアの循環、「伝えるメカニズム』(2月28日発売)を、先着5名様にプレゼントさせていただきます!

 メディア研究の成果が、今月末に書籍として刊行されます。発売日は2月28日。三日前、印刷所に最終ゲラを入れました。本書は出版まで超がつくほどの難産でした。吉田秀雄記念財団の助成研究として、プロジェクトがスタートしたのが2014年。研究期間は2年間、助成金は300万円でした。

 

 ところが、調査の実施方法を巡って財団から不備を指摘されました。研究資金が200万円に減額され、研究期間も単年度で打ち切りになりました。そんなわけで、メディア研究プロジェクトは2年目に兵糧を失いました。それでも、わたしたちはひるむことはなく、「それならば、いい研究成果を出そう。向こう正面を唸らせる研究をしようじゃないか!」とチームの結束は固くなりました。

 2015年に財団への報告書を提出。その後は二度、「マーケティング・サイエンス学会」で研究発表を行いました。一回目(2015年)は、岩崎・中畑・小川のチームで、二回目(2016年)は、岩崎・中村のペアでシミュレーション実験の結果を発表しました。

 財団への成果報告書は、2年目の最後に提出を終えています。研究成果の内容は大いに自慢できるものでしたが、イレギュラーな研究になったので、2015年度の受賞対象からは外されたようです。ちょっと残念な気持ちではありました。

 

 ところが、物事はおもしろく進行するものです。今度は運よく、法政大学イノベーションマネジメント研究センターの出版助成を受けることができました。報告書の原稿をもとに、執筆陣6人(岩崎、小川、中畑、野澤、佐藤、中村)が約半年で原稿を完成させました。出版社も、わたしが『CSは女子力で決まる!』(2014年)を刊行した生産性出版に決まりました。体裁はソフトカバーで、価格は1800円。初刷りは3000部くらい。かな?

 ここでまたしてもプロジェクトは躓いてしまいます。イノマネ研究センターから、「所員会議に掛けたところ、残念な結果になりました」と連絡が入ったのです。事務局の染川さんが、申し訳なさそうに電話をくださいました。

 「先生たちの書籍は、研究叢書の第14巻になります。シリーズ本は、装丁がハードカバーで表紙も白に統一されています」。

 所員会議で、わたしたちが申請していた「(ソフトカバーでの)例外扱い」が承認されませんでした。ハードカバーとなると、制作費で助成金の約半分(50万円)を使ってしまうのです。

 編集者の仕事が、ここでフリーズしてしまいました。それでも8月の時点では表紙のデザインは完成していましたから、わたしたちは、初稿のゲラが上がってくるのを静かに待っていました。

 

 ところが、待てど暮らせど出版社からは何の音沙汰もありません。木枯らしが吹き始める11月になっていました。さすがに、「これはおかしい」と思い連絡を入れると、原稿は”お蔵入り”になってしまっていたようです。担当が、原稿の整理を進めていなかったことが判明したのです。

 法政大学からは出版助成を受けています。年度末(2月末)までには出版にこぎつけないと大変なことになります。責任問題に発展しそうな勢いでした。過去にセンター長として、とん挫してしまった出版プロジェクトを何度も見ていました。さすがに、編集者に対して、「喝!」を入れざるを得なくなりました。

 それでも、再スタートしてからは、校正作業の手順はスムースでした。多くの人が手に取ってくださることを想定していましたので、部数を抑えるので、一般の書店に並ばないことになったのは残念です。それでも、価格設定は2千円(税抜き)です。補助金の一部は原価低減に役立ちました。

 

 年明けから、粛々と校正作業が進められていました。岩崎・小川編著の『メディアの循環』(生産性出版)は、書籍の完成を待つだけになっていました。1月中旬には二度目の校正が済んで、最終ゲラがあがってきました。

 ところが、ここでまた、わたしたちは手痛いパンチを食らいます。今度の事件は、わたしたちだけでは解決が難しい事態に発展していました。問題は、事例として取り上げた「アイドルA」のプロダクションから、「出版の許諾を与えたことはない」との指摘があったことです。

 詳しいことは省略しますが、編著者(岩崎・小川)としては出版が優先です。実名を「アイドルA」に一括変換することで、最終的な妥協点を探ることにしました。最終的には、アイドルの名前を記号化して、一括変換で最終原稿を完成させました。それが3日前のことです。

 

 とうわけで、2014年にスタートしたメディア研究の成果が、2月28日に刊行になります。装丁は、白のハードカバーになりました。専門書の体裁なので、販売チャネルは大手書店とネット販売に限定されます。

 本日、このブログを書いている意図は、それでもなるべく多くの方にわたしたちの研究成果を知っていただきたいと思ったからです。出版までの経緯を長々と書きつづってきましたが、「本書を読んでみたい!」と思われる方を募集します。先着5名の方に無償で『メディアの循環』を提供したいと思います。なお、送料だけは着払いで本人のご負担になります。

 本書の「PR大使」です。なるべく周囲にSNS経由で内容を広げてください。リクエスト先は、わたしのメールアドレス(huko-ogawa@nifty.com)です。送付先の住所をお知らせください。『メディアの循環』は宅配便でお送りします。メールには、ご本人のお名前と電話番号を忘れずに記入のこと。3月の上旬には到着するように手配させていただきます。