トルコ旅行日記: 番外編(おりがみで、鶴が折れない!)

  トルコ旅行中に、精神的に”がっくり”したことがあった。美人通訳のジョスクさんたちと、チャイを飲んでいて、話題が日本の折り紙のことになった。さっそく、パネラーで同志になったオーストラリア人のオズグン女史が、カバンから便箋を取り出した。


縦長の便箋を真四角に切って、二つに折りをはじめた。すばやく、「くちばし」の形に折ってくれた。例の指を入れて、ぱくぱくやる袋の形のやつだ。こにこに笑って、何かを挟むマネをしてくれた。

 それではと、わたし、、、「鶴を折りましょう!」(I will make a bird.)と。その場にいた通訳のギョスクさんをはじめ、3人からわたしに、「ちょっと待ってください、教授。わたしたちも真似して作るから」(Professor! wait a minute. We will follow you.)
 ところがである。手元の便箋を真四角に切って、二つ折りにしたところで手が止まってしまった。「羽になる部分」のつくり方がわからないのである。そのままでは、どうあがいても、こ鶴にならない。袋にもならない。
 フォローするにも、インストラクターのわたしの手が止まってしまっている。「羽の作り方がわからないですよ。どうしようか」(Bird’s wings. How can I deal with this?)
 さかんに首をかしげている私を見て、オーストラリア在住のトルコ人エンジニア、オズグン女史が助け舟をだそうとする。しかし、鶴はむずかしくて、作り方を思い出せないらしい。
 結局、恥ずかしながら、立ち往生してしまった。それで終わりではあった。大笑いだが、ギョスクさんに、約束をさせられた。「思い出したら、鶴(鳥)の作り方をメールくださいね」(Please tell me the way of making a bird when you remenber it in Japan. )。

 その後、ホテルに帰ってから、必死の思いで鶴の折り方を思い出した。落ち着いてみると、どうにか折ることができたのだが。日本に帰ったいまとなっては、問題は彼女にどのように、言葉で鶴の折り方を説明するかである。
 わたしの英語力では、テキストだけで折り方を伝えるのは無理そうだ。作り方もやっと思い出したくらいである。たぶん、英語の折り紙の本を探すか、ネットで鶴の折り方を説明しているサイトを教えてあげるかである。
 どなたか、わたしの窮状を助けてくださいね「ヘルプ ミー!」 
 それしても、子供の頃には、何の迷いも無く、無心に手を動かしてできた動作が、この年になると思い出せなくなる。疲れてもいたが、それにしてもショックだった。しかも、外国人の前である。ごく簡単に、日本の文化を紹介するつもりで、大恥をかいてしまったのだ。