いまや携帯電話で気軽に見積もりが取れる中古車買い取り。少しでも高く売って安く買いたいが、そもそも中古車の値段はどうやって決まる?その舞台裏を探った!
中古車ディーラーや買取専門店の仕組みとは?
新車には手が出ないので、中古車購入を検討している人も多いはず。そう考えると、中古車ビジネスはこれから有望?
「そう単純な話でもないんです。新車が売れないと中古車市場に出る商品が減り、人気車種をユーザーに供給できなくなります。実際、新車販売が約2割減に対して、中古車市場は約3割も縮小しています。ただ、厳しい環境でも健闘している業態がある。それが買取専門店です」
と教えてくれたのは小川孔輔先生。これまで車を買い替えるときは、愛車を中古車ディーラーに下取りしてもらうのが一般的。しかし、最近は買取専門店に売る人が急増。買い取り価格が中古車ディーラーより高いケースが多いのが人気の理由ですが、その秘密を探る前に、まず中古車ビジネスの仕組みを押さえておきましょう。
「じつは中古車ビジネスは他の中古品と違い、B to B(業者間取引)が活発。ディーラーや買取専門店はユーザーから車を買い、別の中古車ディーラーに転売して利益を得ています」
自社で買い取った商品をそのままユーザーに販売したほうが、中間マージンがなく利益は大きいはず。にもかかわらず、なぜ業者間で転売を?
「中古車は地域によって需給の差があるからです。たとえば沖縄では新車より中古車がよく売れるし、新潟では海外に輸出する中古車の需要がある。そのため業者間のオークションが発達したのです」
ディーラーと買取専門店、売るならどっちがおトク?
具体的に流れを見てみよう。中古車ディーラーや買取専門店が中古車を40万円で買い取ると、10万円の利益を乗せてオークションに出品。大手の中古車オークションを利用した場合、出品や成約手数料で1万8000円かかり、1台売れれば約8万円の利益に。
50万円で中古車を仕入れた別のディーラーは、75万円で店頭販売。輸送費や磨き加工などの経費を差し引くと、1台につき約20万円の利益が出る。
「中古車の回転率は3割程度。売れない商品をいつまでも並べておくと、在庫リスクや展示コストが膨らむので、中古車販売店が再びオークションに出品することも。こうして中古車は、次の持ち主が見つかるまで各地を転々としていきます」
じつは買取専門店がディーラーより高く買い取ってくれる場合が多いのも、在庫リスクや展示コストが関係しているとか。
「ディーラーは買い取った車をオークションに出さずに自社で直販する場合がありますが、買取専門店はすぐにオークションに流す。ケースバイケースですが、在庫リスクや展示コストがないため、5%前後は高く買い取れるようです」
愛車売るなら、買取専門店が賢い選択かも!?