日本版顧客満足度指数の「開発プロジェクト(J-CSI)」(経産省サービス生産性協議会、小川座長)が発足してから、2年弱が経過した。今回(2009年1月)、15業種のパイロット調査を終えて、業界ごとの平均的な満足度指数が明らかになった。まだテストケースなので、実データを公表することができない。企業ごとの指数そのものも公表もNGである。しかし、おおよその傾向は把握できるようになった。調査方法論的には、ほぼやり方は固まってきている。
その成果は、さ来週(3月16日)実施される「サービス産業生産性協議会 SPRINGシンポジウム2009」で発表される。
月曜日の11:00~11:20、全体会議「日本版CSI(顧客満足度)について」で、わたし(小川)が講演をする。午後には、分科会「日本版CSI(顧客満足度)開発報告」で、明治学院大学准教授の小野譲司君が発表する。そのあとで、企業AGの三人に参加いただき、パネルディスカッションを予定している。
主催は、(財)社会経済生産性本部 サービス産業生産性協議会である。場所は、東京ステーションコンファレンス6F(東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー)。
面白い結果は、流通サービス業種ごとの顧客満足度のちがいである。昨年から15業種や約180社(各300サンプル、全国調査)のCSI指数データが蓄積してきた。暫定的な結果〈3項目、100点満点〉からは、おおよその傾向が見て取れる。
対象とした15業者は、衣料品、通販、百貨店、スーパー(総合スーパーと食品スーパー)、家電量販店、ホームセンター、ドラッグストア、飲食、旅行会社、航空会社(国内、海外)鉄道(私鉄、地下鉄含む)、病院、介護サービス、塾・通信教育、フィットネスである。細かく分ければ、20業種くらいをまとめたことになる。
業種的に利用者から厳しい評価を受けた、いくつか業種があった。身近でその結果が明確に出てしまうようねサービス(教育関連)では、傾向としてきびしい評価が下されている。もちろん、そうした業界で高い顧客満足度を獲得している企業がないわけではない。評価の厳しい事業分野では、サービスに対する評価スコアの分散も大きくなる傾向がある。
それとは逆に、サービスに対する満足度が高い業種は、旅行会社や通信販売サービスであった。病院や介護サービスの満足度も高い。
総じて、若い人より年寄りのほうが、サービスに対する満足度が高く、都会より地方のひとのスコアが高いようである。素点ではなく、当面はランキングで発表するつもりでいる。企業ごとのストアが発表されたとき、衝撃はかなり大きくなりそうだ。