エクアドルの首都キトーから(4): エクアドルに移住した西川君のこと

アグリフローラ展示会(9月24日~)から、JFMAツアーに同行してくれている日本人がいる。2月からキトーに滞在している西川くん(プラントハンター、育種家)である。ご家族を同行しての移住である。子供さんの送り迎えがあるので、滞在中のホテルには来ていないが、12年前にわたしは西川さんの奥さんに会っているのだそうだ。


西川くんは、いま35歳。プラントハンターになったきっかけは、サントリー時代の坂崎さん(現フローラ21社長)が、サフィニアを育種した話を聞いてのことである。東京農大の学生だったころのことだという。引退した樋口先生の研究室の学生だったはずである。樋口先生から紹介された記憶がある。
 両人たちの結婚にも、わたしが関与していた! これは、一昨日、西川くん本人から聞いた話である。1996年ごろの「フラワービジネス公開講座」(法政大学産業情報センター主催)に、奥さんを連れてきたことがきかっけだったという。デートのだしに使われた可能性もある。本人もそのことを否定はしなかった。
 一番のびっくりは、移住の動機がふるっていることである。もともとは、大学卒業後に岡山の農場で育種をしていた。育種した植物は、名古屋の角田ナーセリー(JFMA会員)で扱ってもらっている。植物の山上げのために、名古屋と岡山と長野を移動するのが体力的にしんどくなってきた。「人間が移動しなくてすむ場所」を探していたら、赤道直下の熱帯高地のエクアドルにたどり着いたという。
 わたしの感想である。西川君は、「オランダ人化」した日本人だ。発言に、国境を感じさせない。エクアドルには、3年前に政府機関の調査でプラントハンティングに来ていた。なじみのある場所なので、奥さんに相談をしたら、「いいですよ」ということで、あっさりとエクアドルへの移住になった。
 やはり、JFMAのツアーに同行している現サントリーの岩城さん(坂崎さんの後継者)曰く。「西川君は、独りよがりの個人育種家になるか、大成功するか。その中間はないでしょう」。それを聞いていた本人も、まわりの皆さんも大笑い。
 わたしは、もちろん、西川君には大成功してほしい。
 新しい世代の日本人である。労働意欲がけっして高くはない、エクアドル人を相手のしごとである。たいへんそうだが、がんばってほしい!
 
 余談になるが、エクアドルに来たら、食事のときにビールを頼むときには、しつこいくらいに何度も、オーダーが通っているかどうかを確認したほうがよい。
 注意をしていないと、食事がほとんど終わりかけてから、アルコールが到着することになる。一昨日は、オーダーからビールが出るまでに30分かかった。昨日は、注文のコツを覚えたので、約20分でビールが到着した。さて、今晩は? コロンビアのボゴタに移動する。