日並びが悪い?2016年の母の日は、前年割れの店(チェーン)が多数に

 母の日は、日本や米国では5月の第二日曜日と決まっている。ところが、世界を見渡すと、ノルウェーは2月、英国は3月(第4日曜日)のように、必ずしも5月でない場合も多い(半分が5月以外)。曜日も日曜日ではなく、韓国のように5月8日と「固定日」を指定している国もある。



 日本や米国は、第二日曜日としているために、ビジネス的には「日並び」の問題が発生する。とくに、日本では4月末からのゴールデンウイーク(4月29日、5月3日~5日)があるので、商売が複雑になる。国民が連続して休日を楽しむため、母の日のイベントとファミリーの休日が重なってしまうからだ。
 今年は、「5月8日」(5月第二日曜日)が母の日になった。3日~5日が連休で、6日の金曜日を休むと、7日は土曜になる。会社によっては、10連休というケースもあったようだ。
 花業界(母の日に関連するギフト産業)にとって、この場合は、二重の意味で商売はむずかしくなる。花業界は、”生もの”(植物)を在庫できない。その場合は、加工のための労働者の手配や市場出荷の都合がつかなくなる。ピークに合わせて供給が増やさないからだ。
 もうひとつが、母の日の存在(準備)を忘れてしまう消費者側の事情だ。わたしも、今年はついつい母のことを忘れてしまった。(4月に事前に送金してあったから、ごめんなさいではあるが、、、)
 
 さて、筆者の聞き取り調査によると、2016年の母の日の商売は、つぎのようなぐあいだった。
 量販店や専門店チェーンでは、対前年比で95~98。これには、SCに入店している花店も含まれている。微減の理由は様々だが、日ならびの問題以外に、定番品(カーネーション、その他の切り花や鉢もの)が売れなかったことが失速の原因らしい。アジサイや雑貨が売れて、プリサーブが売れなかったことが典型例だろう。
 日曜日は天気が良かったが、全国的に、金曜日と土曜日が雨になった。天候の状況を言ってもはじまらないが、金曜日と同曜日で10%ダウンしたのを、当日の日曜で取り返せなかった。これが実態だろう。ネットの客単価が上がっていることも、今年の特徴である。

 店名をアルファベットで、既存店の前年比の数値を示す。店舗(チェーン)によっては、5日間だったり3日間だったりしている。統一したデータではない。あくまでも参考である。

 A: 95% (グリーン:102%)
 B: 98% (ギフト:100.5%)
 C: 95% 
 D: 107% (雑貨が伸びた) 
 E: 103% (ネット100%)
 F: 96%
 G: 調査中
 H: 調査中

 以上、中間報告である。