青いバラの話(WEBからの転載)

 アヴァンティの放送終了後、サントリーの番組WEBに、わたしが話した内容が簡潔に要約されて掲載されていました。ご紹介します。詳しくは、http://www.avanti-web.com/thisweek.htmlをご覧ください。サントリーの開発者からの詳しい説明もリンクされています。ただし、カメノコをたくさん見るがいやでなければ(笑)。


小川孔輔さん(法政大学経営大学院教授)の『青いバラ』の話

 「青いバラ」は自然界には存在しなかった。花の色は遺伝子によって決まるんだけど、バラやカーネーションは青い色を発色する遺伝子を持っていない。だから青い花がなかった。
 その本来は存在しない青い花が人間の力で創られた。青いバラを遺伝子の組み換えによって最初に創ったのはオーストラリア・メルボルンのベンチャー企業で、実験を始めたのが1990年。私も1994年にその企業を訪れたけど、当時はまだ青いバラの影も形もなかった。
 植物の遺伝子にも性格(?)みたいなモノがあって、たとえばカーネーションの遺伝子を組み替えて青い花を作るのは簡単だった。ところがバラは気難しくて、なかなか青い色素の遺伝子を受け入れてくれない。しかも遺伝子の組み替えが成功したかどうかは、育てて花を咲かせないとわからないので時間がかかる。それで青いバラの開発には10年以上かかった。
 そうやって青いバラが出来たのがつい4~5年前。早ければ来年くらいにはお店で買えるようになる。ちなみに青いカーネーションならすでにお店で買える。花言葉は「永遠の幸せ」。ムーンダストというブランド名で普通にお店で売られているので、母の日にもオススメ。