5月1日の手紙(小川~新井田社長宛)

 本日は、なぜわたしが2年ほど前に「幸楽苑」に注目したのか? その理由を書いた新井田社長宛の手紙を公開します。 


インタビューを申し込んでから返事をいただけるようになるまで約2ヶ月。気長に何度も会社に電話をいれて、ようやく6月末に7月10日のアポイントがとれました。われながら相当しつこいかなと思いますが、以下の手紙でわたしの思いをご想像ください。取材の結果は、後ほどHPに掲示します。

(株)幸楽苑               2003年5月1日
新井田 傳 社長 殿
                     法政大学経営学部
小川 孔輔

 はじめまして、法政大学の小川(孔輔)と申します。
学部と大学院でマーケティング論を講義しております。保有株式は少額ですが株主であり、優良顧客でもあります。本年春からは、授業でも貴社の話をしております。事業内容を熟知しているわけではないので、顧客としての立場から生徒には話をしております。

 さて、以前から(品質と事業内容がめざましく変わり始めた2年ほど前から)、経営学者として貴社のビジネスに注目をしており、いつか機会があれば、新井田社長に面談させていただきたくお待ちしておりました。たまたま一昨日、本社のある郡山市で行われました「郡山シティマラソン(10マイル)」を走るために訪問し、そのことを思い出した次第です。

 インタビューを希望する理由は、以下の通りです。
 現在、日本経済新聞社からテキスト「マーケティング入門」を準備しております。事例として、貴社「幸楽苑」をとりあげさせていただけないかとのお願いです。まちがっているかもしれませんが、私なりの観察では、貴社の優れているところは(もちろん、その他にも、麺や餃子のセントラル加工、チルド輸送など、具体的には要因がたくさんあるとは思いますが)、
(1)少ないパーツでメニューをたくさん生み出すこと(見せること)、
(2)麺、餃子、トッピングなどの「部品」の品質が格段に向上したこと、しかも、
(3)商品全体の価格付けに値頃感があること、
(4)主として(1)の理由から、厨房内の作業(動線)が標準化できたことで、採用直後の従業員でも、間違いなく調理・品出作業ができるシステムが確立している、
(5)(1)~(4)のように、店舗運営システムが標準化・簡素化できたので、出店の速度が加速できたこと、
ではないか、と感じています。

本の中でとりあげる企業は、ユニクロの中国進出、アイリスオーヤマのHCベンダー事業、トラスコ中山の物流システムなど(柳井会長、大山社長、中山社長とも友人関係です)、事例としては20以上に及びます。そのひとつになります。わたしのほうは時間が自由になりますので、郡山でも東京でも、社長のご都合のよろしいように時間と場所を設定していいただけけっこうです。通常は、最初の取材に90分ほどいただいています。
以上、よろしくお願いします。

 連絡先: 〒102-8160 千代田区富士見2-17-1
 法政大学経営学部(経営学部長) 小川孔輔(オガワコウスケ)、
 電話:03-3264-9732 
    
追伸: なお、僭越ながら気がついたことですが、冷やし中華のレタスは、手でちぎったほうがよろしいのではないでしょうか? 食感があまりよくありませんでした。包丁かカッターで野菜を裁断しているとすると、切り口も見た目にあまり素敵ではありません。追加ですが、標準スタイルの店舗では、トイレの清潔度とレイアウトが気になりました。ご検討いただければ、ファンたる顧客としては幸いです