日本経済新聞の金曜日夕刊(2月18日、株式欄)に「ウォルマートの焦り」というコラムが掲載されていた。
本HP(1月15日、毎日新聞社「エコノミスト」にも一部を掲載)で予言した通りのことが、ウォルマートの内部で進行していることがこれで確認できたことになる。同社2005年度1月期の純利益が創業以来初めて百億ドルを突破したにもかかわらず、株価は同日反落したという記事である。
「ウォール街ラウンドアップ」というコラムでは、株価(先物)が下落した理由を3つ指摘している。米国既存店売上高の伸び悩み(+3%)、ガソリン価格高騰によるコア顧客層へのダメージ(売上減)、販売管理費(とくに人件費+14%)の上昇である。
これには、前回HPで指摘したような、中国からの輸入品価格高騰の効果は織り込まれていない。ガソリン価格の高騰が、ウォルマートの中心顧客である低所得者層を直撃したことからもわかるように、消費財価格の高騰は同社の経営を困難にするだろう。人件費負担が、同社の基本戦略であるEDLP路線に修正を迫る可能性もある。低価格路線を強みとしてきたウォルマートの時代が、そもそも終わりかけているのである。