中国語の会話学習をはじめました

上海・広州を中心に、ここ一週間ほど中国では反日の暴動が続いている。日本企業の中国進出を観察してきた研究者のひとりとして、とても複雑な心境である。日本企業が中国社会に対して貢献できる製品やサービス(生活提案)のノウハウは決して少なくない。そう考えてはじめた研究だったので、今回の事件には正直、大いに心を痛めている。


そういえば、今月上旬に「上海花卉展示会」を訪問したとき、通訳の女性やホテルの従業員などの態度が妙に冷たかったことを思い出す。訪中中(4月5日~7日)、メディアが流す記事からは、反日運動が激化するような気配は感じられなかった。しかし、ネットなどではすでにそうした兆しがあったのだろう。
 中国中央政府の思惑はどこになるのか?民間の反政府運動の流れなど、激しいデモや焼き討ち事件がなぜ起こったのか?まだ本当の理由がよく分かってはいない。急速な経済成長に伴う沿岸部と内陸部の経済格差、世代間や同地域に住む住民間での貧富の拡大など、事件の根はかなり深いところにあると感じている。実態はいずれ明らかになるだろう。
 反日のうねりがまだ収まらない今、それだからこそ、中国語会話の勉強をはじめることにした。会話の先生は、元伊藤忠商事・中国駐在員の田中則明先生である。わたしと同じ53歳。伊藤忠を早期退職して、田中流中国語会話のメソッドを普及しようと頑張っている。企業内や個人向けに、レッスンをしてきてわたしがほぼ800人目の生徒である。
 お恥ずかしい話が、英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語など、たくさんの数だけは取り組んだが、あまり語学は得意ではない。成果も上がっていない。中国語もやりたいけれど、結果がついてこないよう気がして、正月以来、はじめるのをのばしのばしにしてきた。
 ところが、昨日(4月21日)、第一回の「田中式レッスン」を受けることになった。テキストは、「これ以上分かり易くできない!中国語」心弦社(¥1,890)。初回90分の個人レッスンは、ボディアクションを巧みに使った発音の授業である。いま、教科書付属のCDを使って、会話の復習を始めている。四声、母音、子音の練習。「これさえわかれば簡単、簡単」という田中先生の言葉を羅針盤に、しかし、「やっぱり中国語はむずかしい」。アシスタントの大関悦子さんに、田中先生推薦の日中電子辞書(キャノン・ワードタンクV80)を購入するように頼んである。明日からは電車の中でも練習を始める。つもりである。
 中国語を始めたきっかけは、マーケティングや消費者行動の研究者として、現地のひとびとと直接会話をしたかったからである。通訳を介してのヒアリングでは、本音が聞けない気がする。そうしたもどかしさに加えて、中国社会になじむためには、文化の基礎としての言語を習得することが必須だと考えた。それほどすぐに、中国語の会話がすらすらできるようになるなどとは思っていない。年齢も年齢である。
 ともかく、中国ビジネスとは直に関係をもたないわたしのような人間が、現地の人たちコミュニケーションをとりたいというの気持ちから会話学習に着手する。この時期だからこそ、中国語の学習をはじめる意義があると思う。皆さんいかがでしょうか?