IM研究科・2004年春学期「マーケティング論」(担当:小川孔輔)
Ⅰ 授業と事前アナウンスメント
1 授業の基本方針
IM研究科の大学院生のために、(1)マーケティングの基本的な概念と枠組みを講義する。それだけでなく、基礎概念の応用力を高めるために、(2)「事例に基づくクラス討議」、(3)「基礎文献の個人発表」、(4)「特定課題によるフィールドワーク(グループ)」、(5)「マーケティング統計ソフトの演習(特別講師)」、(6)「外部講師による講演と討議」を準備することした。
2 授業の運営
(1)「通常のレクチャー」:
・18回分が準備されている。基礎的な概念を、講義1~講義15で学ぶ。
・それに加えて、特論1~特論3が用意されている。
(2)「事例に基づくクラス討議」:
・毎日何らかの事例をとりあげて、クラス討議を行う。
・既存書籍(配布資料)の中から、ミニ事例(1)~(9)をとりあげる。
・大きなテーマ事例については、テーマ討議事例(1)~(4)とする。
(3)「必読文献の個人発表」
・各講義について、講義テーマに関連した<必読文献>を指定して配布する。
・最初の授業で、各自に要約発表を担当する文献を割り当てる。
(4)「特定課題によるフィールドワーク(グループ)」
・「ラクーア(東京ドームシティ)」「FLAART(キリンビールの花店)」 「サントリー(新製品)」あるいは「独自自主調査」の中から
いずれかを選んで、3つのチームを編成する。
・各チームの作業を手伝うために、学部小川ゼミ生が調査企画を支援する。
共同作業チームを編成してフィールドワークを実施し、最終日に発表をする。
(5)「マーケティング用統計ソフトの演習(特別講師)」(演習1~4)
・フィールドワークで集めた調査データを集計するため、あるいは、
・今後のプロジェクト計画でマーケティング調査データ分析を習得するために、
マーケティングソフト(SPSS)の習得が目的である。
(6)「外部講師による講演と討議」
3人の外部講師にレクチャーをお願いしてある。
”生きた事例”による討議をしたい。
3 テキスト・参考図書
テクストはとくに使用しないが、以下の参考図書を使用(*配布)する
*(1)和田・恩蔵・三浦(2003)『新版:マーケティング戦略』有斐閣
(2)嶋口他編(1998~1999)『マーケティング革新の時代(1)~(4)』有斐閣
*(3)ブラットバーグ(2001)』『顧客資産のマネジメント』ダイヤモンド社
(4)小川(1999)『マーケティング情報革命』有斐閣
*(5)酒井麻衣子(2001)『SPSS完全活用法:データ入力と加工』東京図書
4 成績評価:
以下をほぼ同等に案分して成績を評価する
・授業内の発表(報告、討議への参加発言)
・グループレポート(事例発表、コメント、最終報告)
Ⅱ 授業運営スケジュール
1 5月20日(1時限) 「講義1:マーケティングの基礎概念」
1-① <必読文献> 嶋口「序章 仕組み革新の時代」
1-① <必読文献> 金(顕)「終章 新しい仕組み革新に向けて」
24-①<必読文献> レビット(2001)「マーケティング近視眼」
2 5月20日(2時限) 「テーマ事例討議1:ユニクロの成長と海外事業展開」
<討議資料> 小川孔輔(2003)「中国へのブランド移転物語」 その他数点
3 5月21日(1時限) 「講義2:マーケティングの歴史」
1-②<ミニ事例1> 黒岩(2004)「パーク24:プロダクト小口化型仕組み革新」
22 <必読文献> テドロー「アメリカにおけるマスマーケティングの形成」
24-③<必読文献> レビット(2001)「無形性のマーケティング」
4 5月27日(1時限) 「講義3:マーケティング戦略の構築」
18-①<ミニ事例2> 出井(1999)「ソニー:ブランドは消費者のメンタル・プラットフォーム」
15 <必読文献> 上原(1999)「現代マーケティング戦略の基本構造」
24-④<必読文献> レビット(2001)「模倣戦略の優位性」
5 5月27日(2時限) 「特別講義1:製品開発の成功法則」
招待講師: 梅澤伸嘉((株)コンセプトハウス代表取締役)
6 5月28日(1時限) 「特論1:ブランド戦略」
13-①<必読文献> 青木(1997)「ブランド階層とブランド体系」
13-②<必読文献> 小川・金澤・田中(1997)「ブランド拡張の成功条件」
* フィールドワーク説明とグループ分け
* 5月29日~30日 任意参加(フィールドワーク、HC店頭調査)
7 6月3日(1時限) 「講義4:競争構造とマクロ環境の分析」
8 <必読文献> 新宅(2000)「先端技術産業における競争戦略」
14-①<必読文献> 竹内(1999)「商品開発におけるミニチュリゼーション戦略」
14-③<必読文献> 延岡(1999)「マルチプロジェクト組織への変革」
8 6月3日(2時限) 「テーマ事例討議2:WiLLブランドの展開」
<討議資料> 博報堂「WiLL白書(1)&(2)」 その他数点
9 6月4日(1時限) 「講義5:消費者行動と顧客の分析」
19-①<ミニ事例3> 三村(1999)「資生堂:日本的マーケティングの誕生と展開」
17-①<必読文献> 青木(1992)「消費者情報処理の理論」
17-②<必読文献> 小川(1992)「消費者行動とブランド選択の理論」
10 6月10日(1時限) 「講義6:マーケティング・リサーチ」
27 <必読文献6> 小川(1993)「マーケティングモデル発展の小史」
25-①<必読文献> ケラー他(2003)「ブランド・ポジショニングの最適化戦略」
16 <必読文献> ワイス(1994)「アメリカのライフスタイルを分類する」
11 6月10日(2時限) 「リサーチ演習(1):データ収集と入力」
<必読文献> 酒井麻衣子(2001)『SPSS完全活用法:データ入力と加工』
12 6月17日(1時限) 「講義7:製品開発のプロセス」
18-②<ミニ事例4> 阿久津(1999)「トヨタ:異文化へのブランド移植」
14-②<必読文献> 竹内・野中(1999)「ラグビー方式による新製品開発競争」
9-① <必読文献> 杉田(2001)「新製品開発と先発の優位:米国における研究成果」
13 6月17日(2時限) 「リサーチ演習(2):データ加工と集計」
14 6月18日(1時限) 「特論2:サービスマーケティング」
19-③<ミニ事例5> 小野(1999)「帝国ホテル:顧客獲得の維持とバランス」
11 <必読文献> ヘスケット他(2003)「ポスト工業社会のサービス・モデル」
24-②<必読文献> レビット(2001)「サービス・マニュファクチュアリング」
6 <必読文献> 小野(1996)「リレーションシップ・マーケティングと顧客維持戦略」
15 6月18日(2時限) 「テーマ事例討議3:サントリーAD生の発売」
20-②<必読文献> 長崎(2003)「ブランド管理におけるパッケージ戦略」
16 6月24日(1時限) 「講義8:新製品の普及と予測」
14-①<ミニ事例6> 竹内(1999)「商品開発におけるミニチュアリゼーション」
7 <必読文献> 小川・林(1998)「米日間でのマーケティング技術の移転モデル」
17 6月24日(2時限) 「リサーチ演習(3):統計分析」
18 6月25日(1時限) 「講義9:価格づけの理論」
3 <必読文献> 鈴木(2002)「製品および価格の戦略的バンドリング」
9-②<必読文献> 古川(2001)「プライシング研究の進展」
19 6月25日(2時限) 「特別講義2:データベースマーケティングの実務」
招待講師: 中澤 功(法政大学講師)
<必読文献> ブラットバーグ(2002)『顧客資産のマネジメント』
20 7月1日(1時限) 「講義10:価格決定の実務」
14-③<ミニ事例7> 延岡(1999)「トヨタ:マルチプロジェクト組織への変革」
25-②<必読文献> ゴービル他(2003)「プライシングと消費者心理」
21 7月1日(2時限) 「リサーチ演習(4):フリー」
22 7月2日(1時限) 「講義11:広告宣伝活動」
2 <必読文献> 阿部(2003)「広告は売上に本当に効果があるのか?」
13-③<必読文献> 岸(1997)「広告によるブランド・エクイティ形成」
23 7月8日(1時限) 「講義12:セールスプロモーション」
26①<必読文献> 小川他(1999)「景品付きプロモーションの意外」
26②<必読文献> 小川・前野・野沢(1999)「ブランド・エクイティと景品付きセールスプロモーション」
4 <必読文献> 大槻(1998)「日用消費財メーカーにみるプロモーション戦略の変化」
10 <必読文献> 恩蔵(2002)「パッケージ」
24 7月8日(2時限) 「テーマ事例討議4:マクドナルドの危機」
28 <必読文献> 小川(2001)「テスコ、マザーズに見るオーガニックMD」
29 <必読文献> 小川(2001)「食は「ファースト」から「スロー」の時代へ」
25 7月15日(1時限) 「特論3:マーケティング情報システム」
21 <ミニ事例8> 小川・並木(1999)「進化するコンビニ・システム」
<必読文献> 小川(1999)『マーケティング情報革命』
26 7月15日(2時限) 「講義13:代替的チャネルの選択」
12-①<必読文献> 小林(2004)「流通・営業戦略の新視点」
12-①<必読文献> 渡辺(2004)「マーケティング・チャネルのマネジメント」
12-②<必読文献> 細井・松尾(2004)「営業」
27 7月16日(1時限) 「講義14:立地選択と店頭管理」
20-① <必読文献> 岡本(2003)「技術のブランディング」
30 <必読文献> 小川(1990)「統計データのない国で調査をする方法」
28 7月16日 2時限 「特別講義3:伝統産業の事業革新」
招待講師 矢島孝敏(やまと代表取締役社長)
29 7月22日 1時限 「講義15:ビジネスロジスティック」
19-②<ミニ事例9> 中田(1999)「ヤマト運輸:新市場の発想と革新」
12-②<必読文献> 南・具(2004)「ロジスティクス」
30 7月22日 2時限 「まとめ:フィールドワーク発表」
5 <必読文献> 西尾(1997)「地球環境時代のマーケティング戦略」
23 <必読文献> コトラー他(2004)「芸術とビジネスのコラボレーション」
<必読文献一覧>
1-① 嶋口(2004)「仕組み革新の時代」
1-① 金(2004)「新しい仕組み革新へ向けて」
1-② 黒岩(2004)「プロダクト小口化型仕組み革新-パーク24の駐車場事業-」
2 阿部(2003)「広告は売上に本当に効果があるのか?」
3 鈴木(2002)「製品および価格の戦略的バンドリング-マーケティングにおける新たな統合-」
4 大槻(1998)「日用消費財メーカーにみるプロモーション戦略の変化」
5 西尾(1997)「地球環境時代のマーケティング戦略-基本コンセプトと展開上の課題-」
6 小野(1996)「リレーションシップ・マーケティングと顧客維持戦略」
7 小川・林(1998)「米日間でのマーケティング技術の移転モデル」
8 新宅(2000)「先端技術産業における競争戦略」
9-① 杉田(2001)「新製品開発と先発の優位:米国における研究成果」
9-② 古川(2001)「プライシング研究の進展」
10 恩蔵(2002)「パッケージ」
11 ヘスケット他(2003)「ポスト工業社会のサービス・モデル」
12-① 小林(2004)「流通・営業戦略の新視点」
12-② 渡辺(2004)「マーケティング・チャネルのマネジメント」
12-③ 細井・松尾(2004)「営業」
12-④ 南・具(2004)「ロジスティクス」
13-① 青木(1997)「ブランド階層とブランド体系」
13-② 小川・金澤・田中(1997)「ブランド拡張の成功条件」
13-③ 岸(1997)「広告によるブランド・エクイティ形成」
14-① 竹内(1999)「商品開発におけるミニチュリゼーション戦略-日本企業の競争優位性-」
14-② 竹内・野中(1999)「ラグビー方式による新製品開発競争-スピードと柔軟性を求めて」
14-③ 延岡(1999)「マルチプロジェクト組織への変革-トヨタのセンター制組織-」
15 上原(1999)「現代マーケティング戦略の基本構造」
16 ワイス(1994)「アメリカのライフスタイルを分類する」
17-① 青木(1992)「消費者情報処理の理論」
17-② 小川(1992)「消費者行動とブランド選択の理論」
18-① 出井(1999)「ブランドは消費者のメンタル・プラットフォーム-ソニー-」
18-② 阿久津(1999)「異文化へのブランド移植」
19-① 三村(1998)「日本的マーケティングの誕生と展開-資生堂-」
19-② 中田(1998)「新市場の発想と革新-ヤマト運輸の宅急便」
19-③ 小野(1998)「顧客の獲得と維持のバランス-帝国ホテル-」
20-① 岡本(2003)「技術のブランディング-“衝突安全技術”のブランドマネジメント-」
20-② 長崎(2003)「ブランド管理におけるパッケージ戦略-パッケージ・アイデンティティファイアの役割と
コミュニケーション効果-」
21 小川・並木(1998)「進化するコンビニ・システム-セブンーイレブン・ジャパンの成功」
22 テドロー(1993)「消費の時代-アメリカにおけるマス・マーケットの形成-」
23 コトラー他(2004)「芸術とビジネスのコラボレーション」
24-① レビット(2001)「マーケティング近視眼」
24-② レビット(2001)「サービス・マニュファクチャリング」
24-③ レビット(2001)「無形性のマーケティング」
24-④ レビット(2001)「模倣戦略の優位性」
25-① ケラー他(2003)「ブランド・ポジショニングの最適化戦略」
25-② ゴービル他(2003)「プライシングと消費者心理」
26① 小川・前野・野沢(1999)「流通論壇:景品付きセールスプロモーションの意外」
26② 小川・前野・野沢(1999)「ブランド・エクイティと景品付きセールスプロモーション」
27 小川(1993)「マーケティング・モデル発展の小史」
28 小川(2001)「テスコ、マザーズに見るオーガニックMD」
29 小川(2001)「食は「ファースト」から「スロー」の時代へ」
30 小川(1990)「統計データのない国で調査をする方法」