原稿依頼の連鎖反応?: HPアップの効用

 中小企業のブランド戦略について、各方面から原稿を頼まれることが非常に多くなってきた。「原稿の連鎖反応」とでもいうのだろうか?わたしは依頼原稿をそのままHPにアップしてしまっている。


そのHP記事を見て、さらに依頼してくるケースが多い。いちおうは、動機調査をしている。
 6月から9月にかけて、同じ主旨の3本の原稿依頼をいただいた。総合研究所や銀行(出版社委託)などからのものが多い。書き手としてはうれしいことだが、どうしても内容がだぶってしまう。ごめんなさいである。
 以下は、中小企業をターゲットにした銀行情報誌からの依頼である。

「中小企業のブランド価値経営」 『りそなーれ』2006年9月号

1 なぜいま、中小企業にとってブランド経営が重要なのか?
経営大学院で、ブランド戦略を核にした「マーケティング論」を講義している。教室で聴講しているのは、30歳前後の若い社会人学生(約30人)である。彼(女)らを相手に、主として国内のメーカーブランドや流通サービス業の事例を用いて、マーケティングの基礎理論を教えている。現在進行形の「生きた事例」を用いて、チーム別にクラス討論させるのが、わたしの授業の特徴である。昨夜(7月24日)の授業は、 (1)「ソフトバンクによるボーダフォン買収後のブランドマネジメント」、 (2) 「7&iホールディングスとイオンのマスターブランド経営の優位性比較」、 (3) 「キリンビバレッジの中国ブランド移転事業の未来」がテーマであった。
大手企業のブランド戦略について講じる一方で、最近学外からのリクエストが目立って多いのが、 「中小企業のブランド戦略」と「地域ブランド活性化」などのテーマでの講演依頼や原稿執筆である。伝統的な分野でのマーケティング論が意味を失ったわけではないが、とくに後者は、80年代に盛んだった「一村一品運動(当時の村松大分県知事提唱)」の流れを汲んだ「第二次地域興し運動」 (地域の再活性化)の反映である。いまさらながら、地域産業政策が重要であるという認識が世の中に広まりつつあるのだろうと思う。その中心に、ブランド論があるというのがおもしろい。
財政難で苦しむ地方自治体は、収益源としての観光事業(顧客誘致の仕組み作り)や自然派農業(産地ブランド展開)に着目している。また、地域に根を張った元気な中小企業は、地方財政にとっても貴重なブランド資産だということになる。元気印の中小企業にしても、小さいながら自社の事業を差別化するために、固有のブランド戦略が必要だという認識をもつようになってきている。二重の意味で、顧客の目線でのブランド経営が重要になったと考えられる。中小企業のためのブランド戦略や地域ブランド論に関する講演依頼が増えてきたのはそのためである。
本稿では、地域コミュニティの活性化などを意識しながら、中小企業のブランド経営について大切と思われるポイントを紹介してみたい。ブランド戦略は、知名度の低い中小企業にとっても有効な経営戦略である。

(この続きは、本HP本日付けを参照のこと)