勝ち組マクドナルドの死角

皆さん こんにちは。
昨年からアドバイザーをさせていただいている「SIP」さんのご厚意により、本日より個人HPを開設させていただきます。ホームページの使い方はひとによっていろいろのようです。わたしのものは、「アイデア」と「個人的体験」の日記帳とさせていただきます。学生のころに日記をつけていました。大学院生の頃にはアイデアノートを持ち歩いていました。例のA5サイズのものです。その習慣の再開です。



本日のテーマは「勝ち組マクドナルドの死角」です。今年の3月に毎日新聞発行の『週刊エコノミスト』から原稿依頼を受けました。新しく始まった「学者が斬る」という3ページのコーナーです。副編集長の原沢さんから「コンビニの限界」のようなものを唆されました。小川ゼミの学生さんと卒業生はよくご存じのように、10年前からわたしは「いつかマクドナルドは経営危機に陥る」と主張してきました。この際いい機会なので、その意見を公にしてみようと思いめずらしく締め切り前に3日間で「ドラフト」を書き上げました。

元原稿は『research & reports』をご覧ください。フルテキストが掲載されてます。結論を述べると、4ヶ月先の7月26日に「日本マクドナルド」が「ジャスダック」に店頭公開することが決まっており、公開価格に大いに(悪い)影響があるかもしれないと考えた「エコノミスト編集部」は、校正の段階でわたしの原稿を掲載することを断ってきました。理由は「藤田商店」(日本マクドナルドのオーナー社長・藤田田氏が経営)が毎日新聞の大事なスポンサーだったからです。というわけで、ドラフトの日付には、掲載予定だった4月17日がそのまま残されています。

さて、「日本マクドナルド株」は7月26日に無事店頭公開されました。初値は公募価格の4300円を上回りましたが、その後は低迷しています。個人投資家も馬鹿ではないと思います。わたしは「売り」を推奨しています。お読みいただくとわかりますが、日本マクドナルドは5つの深刻な問題を抱えての上場でした。すなわち、 
 (1)「為替レートの反転」
 (2)「高齢化社会の到来」
 (3)「食文化の和風回帰」
 (4)「後継経営者の不在」
 (5)「安価で良質な労働力の確保」
です。公開前にほとんどの日本のマスコミはこのことを知っていたはずなのに、耳ざわりの良い記事ばかりを掲載していました。ひどいものです。米国の論調は客観的でした。たとえば「ビジネスウイーク」(6月号)は日本マクドナルドの公開にはとても冷淡でした。おどろくほど的を得た書き方をしていましたが、日本のメディアはどこもこの記事を配信しませんでした。そしていまごろになって・・・

昨日の日経に「マクドナルド批判本」が米国で売れていることが紹介されていました。1年前からそんなことはわかっていたはずです。食の安全性と健康+食文化の破壊にマックは、どのような悪影響を与えているのかをそろそろまじめに考えてみるべき時期だと思います。吉野家の牛丼も値下げの8月上旬には売り上げを伸ばしたそうですが、「食の安全性」と「日本の食文化」を危機に陥れるような「価格破壊」はそろそろやめにしてほしいものです。

小川までご意見をください。