東京国際フォーラム(@有楽町)で開催された「ワークマンの秋冬物の展示会2026」に臨席させていただいた。午前9時半ごろに、有楽町の国際フォーラムに到着。ワークマン生産管理部の中村陽部長に、展示会場の注目ブースを案内していただいた。
展示場の視察に、ご本人が密着してくれた。会場内を一時間ほど、重点商品と新機能の説明をしていただいた。広報部長の林知幸さんと挨拶を交わし、小濱元社長とも短く、前回のインタビューが中途になっていることを確認した。残念ながら、プレゼンターの土屋哲雄専務とは、テレビ局のインタビュー中で直に話すことはできなかった。
なお、拙著『ワークマンはユニクロになれるか?』(PHP研究所、2027年春)の最終インタビューのお相手は、土屋専務である。あと3人のインタビューが残っているが、最後が土屋さんである。
値段を調べてみて驚いたのは、メディヒール(ワークマン:疲労回復を訴求)の値段と、フリース(ユニクロ:温かくて安いを訴求)の導入価格は、当時と今が同じで1900円だった。そして、以下で紹介するように、今年度1年間の販売数量は、メディヒールがユニクロのフリースを軽く超えてしまうのが確実である。
本題である。本日は、9月8日(火曜日)。昨年は、忘れもしない9月1日。ワークマンが、マスマーケティングを初めた年である。去年も同じ時刻(11時から)に、土屋専務のプレゼンが始まった。土屋さん本人に聞いたことはないが、舞台上でのプレゼンは、ちょっと苦手のように見える。
戦略の解説と新商品の紹介は、午前11時から12時までの約1時間。そのうちのはじめの20分が、土屋専務の持ちタイムだった。プレゼンの流れは、事前に説明があったわけではないが、大きく3つのことを話されていた(注:勝手にわたしが「もくじ」の区分、①~③を作っている)。
①2026年通期目標(メディヒール)
土屋哲雄専務はプレゼンの冒頭で、2026年前期の実績と目標値を発表していた。
・春夏物は、前半期で1200万着(実績)の販売を達成できている。
・秋冬物は、後半期で2200万着(目標)を予定している。
合計で、2026年(2027年3月期?)は、通期で3400万着が達成可能だとしてしていた。
その根拠は、春夏物のリピート需要があることと、以下に述べるような新しい商品(サブカテゴリー)と機能の充実によるものである。
✳︎比較事例は、1998年〜2000年でユニクロが販売したフリース(販売数量)である。フリースブームの時は、1998年が200万着、1999年が850万着、2000年が2600万着となっている(別のAIのデータによると、3年間で2600万着という説もある)。どちらにしても、これらは、いまの実績から見て、ワークマンは楽にクリアできるだろう。
両社の間での違いは、ワークマンのメディヒールは、ブレークする前に2年間の導入期間があったことだ。ユニクロは2年目(1999年)からフリース市場が爆発している。そして、ブームは3年でしぼんでしまった。さて、メディヒールの場合はどうだろうか?
フリースは消耗品ではない。在庫性があるから、需要がしぼんでブームが収れんしたが、メディヒールは消耗品である(寝具のカテゴリー)。ブームが急速にしぼむことはないだろう。そして、今回のように派生商品(インナーや敷物)や上級品(コスモス)が新たに投入できる。
②目標達成のための戦略(ユニクロ超えのための手法)
商品のリスク分散(サブカテゴリ―の創造)とメディヒールの「着用シーン」を拡張することが肝になる。着用シーンについては、従来のメディヒールは、「寝室での疲労回復」だった。それを、室外の活動(「アクティビティ」と呼んでいる)に拡げていく。
商品としての具体的な提案は、「ビジネスシーツ」と「ワークウエア(作業服)」が提案されている。さらには、スポーツやキャンプ、登山など野外の活動など、アクティブ系へ広げていくのが、つぎのカテゴリーになる。
まさに、戦略的な「横展開」(商品カテゴリー横断)の実践である。商品開発部の5人のインタビューでヒアリングした結果の通りで、会社が動いていることが確認できた。
土屋専務がスライドに落としていたキャッチコピーは、「普段着に機能を!」。
実現のための方策としては、以下のアイテムが列挙されていた。実現可能性は高そうだった。いや、売り上げを生み出すことで、きっと目標は達成できるだろう。
(1)メディヒール カラーズ店舗対応
レディースの商品、多様化
(2)リカーバリーウエアの新市場開拓
スーツジャケット、リカバリージャケット、レディースのインナー対応
③新規派生ウエア(COSMOS)の導入
「NASAの技術」(宇宙開発の技術)を利用したもので、宇宙空間で温度調整ができるウエア(暑さと寒さの両方に対応)として開発された。ドイツの会社が特許を保持しているようだ。
この機能は、夜間は快眠を促進させ、昼間は気持ちをリラックスさせる機能を持っている。
ドイツの会社が提供してる要素ブランドで、「アウトラスト」(肌着カテゴリーに応用)。
普及品のメディヒールの値段は1900円だが、コスモスは2900円の肌着(熱の吸収、放出)になる。プレミアム商品のカテゴリーになる。販売目標は、年間315万点(売上金額で85億円)。
<注1>メディヒール・コスモス
野口総一さん(元宇宙飛行士)に、アンバサダー就任を依頼している。野口さんは、お話が上手だった。さすがに、舞台馴れしている。ゲスト3人の中では、新人の野口さんのトークが光っていた。
ワークマンのテレビCMに出演することになっている。宇宙空間に浮いてるシーンを使うらしい。CMは、スクリーンで見ることができなかった。
吉田沙保里さん
<注2>フリースブーム(AIによる注記、タグはわたし)
火付け役:ユニクロが1998年に原宿店などで展開し、爆発的な大ヒットとなりました。
価格と展開:当時1,900円(メディヒールと同じ値付け!!)という手頃な価格で販売され、豊富なカラーバリエーションが話題を集めました。
ピーク時期: 1998年から2000年ごろにかけて社会現象となり、日本全国にフリースが浸透しました。


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