【名経営者ランキングトップ50】「アンケート依頼文と小川の回答」(『週刊ポスト』2026年5月27日発売号)

 ほぼ5年に一度くらいの間隔で、『週刊ポスト』(小学館発行)の阿光豊記者から、「優秀経営者のランキング」のお願いのメールがやってくる。今回は、2022年から4年振りで、前2回とほぼ同様な特集企画で、歴代の名経営者でトップ50人をランキングしたいというリクエストだった。
 お願いのメールは、4月10日にやってきた。わたし個人は、末の弟が4月2日に突然の事故で逝去したばかりで、アンケートに協力できるかどうかわからない状態ではあった。しかし、これから『社長はつらいよ』(光文社新書)で、社長のランキングで『週刊ポスト』の記事の再録をお願いしている。
 心身共に厳しい状態だったが、いつも世話になっている人に対しては、無理にでも回答をする義務があると考えた。リクエストのメールが手元に届いたのは、4月10日である。それに対して、わたしが回答の返信メールを送ることができたのが、4月13日だった。
    
小川孔輔さま         2026年4月10日

 いつも大変お世話になっております。小学館「週刊ポスト」記者の阿光です。取材のお願いです。以前も同様の趣旨の記事でご協力をいただきましたが、週刊ポストでは4月27日(月)発売のゴールデンウィーク合併号で、最新版「ジャーナリスト・評論家・教授・アナリスト30人に聞いた『最高の経営者ランキングトップ50』 日本経済を甦らせるのは誰か(仮題)」という特集記事の掲載を予定しております。
 世界経済の先行きが今まで以上に見通せないなか、日本企業はこの局面をどう乗り越えられるのか、困難を克服するためにどのような力が求められるのか、歴代の名経営者(松下幸之助氏、本田宗一郎氏、森田昭夫氏など)や現代の企業トップが発揮してきたリーダーシップについて本企画を通じて明らかにしたいと考えています。そこで、以下の項目につきまして、アンケート取材をさせていただきたくお願いする次第です。
 
●現役を含む歴代の日本の経営者で「最高」だと考える人物を3~5人(可能でしたら5人)、できましたら順位をつけて挙げてください。
●挙げていただいた経営者のそれぞれについて、選定された理由を教えてください。また、選定基準としたものがあれば合わせて教えてください。

(中略)

4月15日(水)午前中くらいまでに、まずはメールにてご返答をいただけましたら幸いです。また、アンケート結果の順位が出たタイミングで追加取材をお願いする場合もあると思いますので、その際はまたのご対応をお願いします。とにもかくにも、このスケージュールで取材を受けていただけるかどうかをまずはご連絡いただけましたらありがたいです。重ねてお願い申し上げます。
 
小学館「週刊ポスト」記者阿光 豊
 
-------------ーーーーーーーーーーー
 
阿光さん

おはようございます。
小川(孔輔、法政大学名誉教授)です。
なんとか時間が取れて、リクエストのあった歴代最高経営者のランキングを送信します。

添付してあるワード文章に、ランキングとその理由を記入してあります。ご査収ください。
なお、予定されている記事を『社長はつらいよ』(光文社新書)に引用の上、再録させていただければ幸いです。

小川   
 
<添付ファイル>の内容(コピー)
 
「歴代最高の経営者の選出」(小川の回答)    2026年4月13日

●歴代の経営者で「最高」だと考える人物を3~5人(可能でしたら5人)、できましたら順位をつけて挙げてください。

1 柳井正(ユニクロ)
2 岡藤正弘(伊藤忠商事)
3 竹増貞信(ローソン)
4  玉塚元一(ユニクロ、ローソン、ロッテなど)
5 鳥越淳司(相模屋食料)
 
●挙げていただいた経営者のそれぞれについて、選定された理由を教えてください。また、選定基準としたものがあれば合わせて教えてください。

1 柳井正(ユニクロ)
山口県の田舎町から出て、日本を飛び越えて世界に飛び出していくチャレンジ精神。社員に対して、グローバルな視点から世界ナンバーワンのアパレル企業を目指すように促す気骨の高さ。そして、壮大な目標達成のためには、挫折(1勝9敗)をものともしない精神的なタフさ。柳井氏は、戦後日本で歴代最高の名経営者である。

2 岡藤正弘(伊藤忠商事) *彼は、東大経済学部のゼミ同級生
旧財閥系の3大商社を、軽々と業績面で抜き去った商売人として才覚。関西弁でユーモアを交えながら話す会話の中に、油断のならない戦略的な思考が見え隠れする。長期戦略の確かさと短期的な戦術対応の切れの良さ。サラリーマン会長ながら、創業経営者的なスタンスと眼光の鋭さが特徴か。
 
3 竹増貞信(ローソン)
王者セブンと戦わない戦略(競争の舞台を変える)で、セブン-イレブンを猛追中。能力の高い若手人材を発掘し、重要なプロジェクトを任せるマネジメント(人心操縦術)に長けている。一方で、利害対立に陥りやすい加盟店オーナーからは、経営者として畏怖されるだけではなく、人間的にも信頼されている。本質的に、「人たらし」である。
 
4 玉塚元一(ユニクロ、ローソン、ロッテなど)
元ラガーマンの気質が、そのまま玉塚氏の経営スタイル(ワンチーム)に表れている。誰も彼を悪く言う人はいない。ただし、ユニクロ、ローソン、ロッテと大手企業の社長を歴任してきたが、大きな成果を上げていないという評価があることも事実。しかし、60歳にして「社長修行時代」が終わり、大きく飛躍する可能性を感じさせる。生涯をかけて学び続ける社長業を標榜しているところがある。
 
5 鳥越淳司(相模屋食料)
雪印乳業の元営業マンで、娘婿社長(相模屋食料本社@前橋市は、豆腐業界のガリバー企業)。豆腐の製造ラインにイノベーションを起こす一方で、自らの発案でヒット商品を次々に打ち出す異色の存在。20年をかけて、業界で圧倒的なトップに上り詰める。経営手法として傑出しているのは、地方にある伝統ある豆腐屋をM&Aあるいは事業提携という形で支援するスキームを開発。グループ企業は10社を超える。

<判断の基準>
 なお、優秀な経営者の判断基準ですが、以下のような観点から総合的に判断しました。
① リーダーシップ
② 事業構想力(事業と商品コンセプト)
③ 人的な掌握術(人間的な魅力、個性)
④ 克己心と経営者としての胆力

以上

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 後日、『週刊ポスト』(4月27日発売)の前に、わたしがランキングした経営者の名前(1~5)とわたし自身のコメントがどのようなものであったか、続編で紹介してみたいと思っている。いま公表してしまうと特集記事への妨害になるので、それは避けることにしたい。
 数日後をお楽しみに、、、、5人の中で4人が、50人の中にランクインしている。そして、名前をげていなかった友人の社長・会長が4人、ランキングに入っていた。狭い世界のことだなと思った次第である。

コメント