自社が主催する展示会を除いて、展示の会場に足を運ぶことはあまりない。友人の山本朝子さんが実行委員長に名前を連ねている「BIOFACH2025」のセミナーを聞くため、3日間連続で東京ビッグサイトに通った。山本さんは、「オーガニックフードマイスター資格認定講座」を主宰している。山本さんのブース(Beyond Organic)とセミナー会場で、5つの講演を聞いた。ふだんは聞けない演者、例えば、東大農学部の鈴木宣弘教授などの話がおもしろかった。
以下は、わたしが講師の話を聞きながら取ったメモである。なにせ、英語で日本語通訳付きの講演などは、話を聞きながらドルから円にレート換算したりで、まともにメモが取れていない。そのため、数字の正確さは保証できないことをお許しいただきたい。あくまでも、わたしの個人的な記憶のために残したメモである。印象に残った部分だけをピックアップしてある。
1 農水省主催のセミナー(9月26日午前10時半~)
「オーガニック市場の拡大に向けて」(農水省)
(1)日本の有機農業の今
OVJ(オーガニックビレッジジャパン)の運動が成果を上げてきている。日本全国の約150市町村が、「オーガニック農業宣言」をしている。千葉県いすみ町など、オーガニック学校給食の導入がかなり進んでいる。
農水省の「みどりの食料戦略」では、2050年(25年後)までに日本の有機農業比率を25%にすると宣言している。とりあえずの現状は、0.8%である。しかし、わたしたちNOAF(農水省が事務局)が約8年前に目標にしていた「1%」にはかなり近づいてきている。
2009年の有機農産物(加工品含む)の消費規模は、1300億円。15年後の2024年には、2240億円になっている。1000億円は積み上げたことになる。
(2)一般社団法人「有機食品コンソーシアム」(代表者の説明)
この組織は、国産有機農産物(加工品)の取引プラットフォーム
①国産有機米粉プロジェクト
アミロースが多い4品種を品種改良して活用
②冷凍野菜プロジェクト
ニンジンやホウレン草などを冷凍して、学校給食に提供(生協ともコラボ)
数量をきちんとまとめないと学校給食には使えない(→冷凍ならば可能)
2 BIOFACH事務局主催
「世界のオーガニック市場と製品動向」(ニュールンベルグメッセグループ)
講師:カタリーナ・ノイマン(BIOFACHブランド国際ディレクター、通訳:三好さん)
内容は、各国のオーガニック市場と製品の動向
(1)ドイツ
①オーガニック農産物の市場規模、約3兆円。年率5.7%で成長(2024年)。
②伝統的な小売チャネルで販売(スーパー、ドラッグなど)
③2つのトレンド
#1:サステナビリティが後退、代わりに、価格・バラエティ・楽しさ
#2:Plant-Base(植物由来)Food
肉の味の完全な模倣を目指す。つまり美味しさの追求、新しいフレーバー
④5つの製品トレンド
#1:食の楽しさをオーガニックにも求める傾向
#2:料理法を簡便に(コンビニエントに)
#3:ノンアル、低アルコール志向
#4:Functional Finesse(健康志向、機能性食品)
例えば、サプリ、プロテイン、
#5:ファッションとしてのヴィーガンの隆盛
Plant-Based Food(美味しいオーガニック)
(2)米国
①米国市場の規模 オーガニック農産物の世界の約半分
約10兆円(716億ドル)、成長率5.2%(2024年)
通常の食品市場の約2倍の成長率
②23~44歳(ミレニアム世代:21世紀生まれ)が消費を牽引
・ライフスタイルとして、有機食品と乳製品の伸びが大きい
・オーガニックのスナックフード
・子供向け(赤ちゃん?)のオーガニックフード
・包材をリサイクルする
・ラベル(認証など)に明示することを要求する
3 ラテンアメリカ
4 インド市場
5 中国市場
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