前日(6月7日)の腰痛と膝関節の痛みから判断するに、もしかして完走が無理かもしれないと観念していた。美瑛ヘルシーマラソン2025は、どちらにしても今年が最後になるだろう。そう思ってスタートラインに息子の真継と一緒に並んだ。6月8日午前10時40分。3000人近いランナーとスタートラインを跨いだ。
2023年からアップダウンの激しいコースに変更になったが、美瑛の丘を走るコースは、これまで10回以上も走っている。上りの急坂がきつい10KM(クオーター)を一度だけ走ったことがあるが、それ以外はすべて21K(ハーフ)だった。
途中でブレーキにならないよう、例年のペースよりゆったりとスタートを切った。10KM地点で増田明美にハイタッチしてもらう「心臓破りの坂」の途中まで、1KM6分30秒のペースで走れた。急坂の10KMから11KMまでは、キロ8分とペースダウン。その後は、15KM地点まで1KM7分のラップタイムが維持できていた。
その間、真継がトイレに行ったので、2度も真継をわたしが抜き返したが、15KM地点からは息子に大きく引き離されてしまった。完走が目的なので、真継に勝つことは最初から放棄している。とにかくゴールまで歩かないことが目標だ。
15KM地点からの3KM区間は、「第2の心臓破りの坂」を入れると、4カ所にやや緩い上り坂がある。しかし、一度も坂道で立ち止まることなく、18KM地点に到達できた。足を痙攣しなければ、無事のゴールインは見えてきた。
18KM地点を過ぎると、大幅にペースが落ちる。1KMのラップが8分近くになってしまった。先を走っているはずの真継の姿は、もはや視界から消えている。しばらくの間、左手に緩やかな丘が続く。美瑛ヘルシーマラソンで、もっとも素敵なビューが楽しめる区間だ。
18KMを過ぎた辺りで、豊橋ハーフの最後1KMでの大ブレーキを思い出した。スタミナは充分だと思うが、両足の痙攣だけが心配だ。景色の良い風景が19KMまで続く。長い下り坂を下りて左折すると、あとは美瑛陸上競技場まで一直線だ。
美瑛橋を渡ると、右手に陸上競技場が見える。あと500メートル。これが最後になるかもしれない。そう思って、ほとんど歩くようなペースでゴールイン。手元の時計を見ると、タイムは2時間34分42秒。昨年より10分遅いゴールタイムである。
真継が、2時間30分で先着していた。孝行息子は、わたしのラストランを動画に収めてくれていた。ゴールしてからしばらく後で、自分がゴールラインを跨ぐ様子を見た。最後はよれよれの走りだった。
それでも止まらずに無事にゴールしている。泣きそうになるかと思いきや、気持ちが意外にあっさりしている。まだ、走れると何気に思っているからなのだろう。、ペースダウンはしたものの、途中で一度も止まらずにゴールできた。73歳と7か月、2時間34分の記録は立派なものだろう。
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