子供のころ、湿疹がひどかった。生来のアトピー体質が原因で、頭皮や体の皮膚が湿疹でかゆくなる。患部を手の爪で掻いてしまい、いつも頭や皮膚から血を流していた。温泉(硫黄泉)が好きになったのも、こどものころの病気のせいである。その湿疹が再発してしまった。2か月ほど前からで、60年ぶりのぶり返しである。
一般的には、生活環境を清潔にすることは悪いことではない。ところが、身辺を清潔に保とうとし過ぎると、思わぬ副作用が起こる。コロナ禍で、わたしたちは、手洗いとうがいが習慣化してしまっている。飲食店に入るときも、教室で席に座るときも、必ず手洗いをすることになる。いつでもどこでも、アルコール消毒での手洗いが習慣化してしまった。
しかし、あまりにやりすぎると、幼児期に病歴があった私のような患者の皮膚には異変が起こる。亀有にある高木病院の女医さんに昨日、60年ぶりに再発した湿疹を見てもらった。再発の原因は、「手洗いのし過ぎですよ」と診断が下された。原因がわからずに、どうしたものかと思っていた。行ってみたら、湿疹の原因が即座にわかってしまった。
わたしの場合は、それに加えて、食器用の洗剤とシャンプーがよろしくないらしい。コロナが流行してから、在宅が多くなったので、食器洗いの手伝いをするようになった。1階には食器洗機がないので、わたしが「人間食洗器」になっている。お湯も使うので、これが手荒れを誘発するらしい。
皮膚科の女医さんからは、食器洗いをするときに手袋を使うようアドバイスされた。早速、昨日の夕方、ドラッグストアで食器洗い用の薄手の手袋を買った。あまりに薄すぎて、手袋をするのも、食器を洗い終わってから脱がすのも、ひと苦労だった。不器用なので、いつも身の回りのことをするのは苦手のほうだ。
マラソンの練習のため、わたしは平日の昼に、4~5KMほど走る。というわけで、清潔好きのわたしは、下手をすると朝昼晩の3回、お風呂に入ってしまう。
その都度シャンプーをするので、お医者さんに言わせると、頭皮の洗いすぎ、シャンプーのしすぎになるらしい。カラダに優しいシャンプーをお使いなさいということで、お医者さんからは、薬用シャンプーの試供品をいただくことになった。
「ミノン」という第一三共のブランドである。「敏感肌・乾燥肌の方へ、保湿洗浄、薬用ヘアシャンプー」というコピーが、パッケージには印刷されていた。
なるほど、皮膚科でサンプリングするとは、これはすごいマーケティングだ。むかし、産院で紙おむつの試供品を無料で配っているのを見かけたことがある。このミノンは、皮膚科でのサンプリングの手法の一つだった。
さて、高木皮膚科でわたしがいただいた二週間分のお薬は、つぎのような構成になっていた。試供品のシャンプー「ミノン」を除いて4種類。昨夜から使い始めている。手指のかゆみは、やや引いている感じがする。
1 内服(錠剤):セチリジン塩酸塩錠10mg
アレルギー性鼻炎、じんましん、かゆみを改善する薬
*先生からコメント:就寝前に飲むこと、、、ただし、アルコールを摂取したら数時間は時間をあける
→ 無理だわね
2 外用 塗布(頭皮に1日二回ぬる):デルモゾールDPローション
皮膚の炎症を抑える副腎皮質ホルモンの塗り薬
3 外用 塗布(指に朝ぬってください):ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルクリーム
皮膚の炎症を抑える副腎皮質ホルモンの塗り薬
*4との違いは、3はクリームであること。4は、軟膏だそうです。
4 外用 塗布(指に夜ぬってください):ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏
皮膚の炎症を抑える副腎皮質ホルモンの塗り薬
以上、4種類の飲み薬と塗り薬を二週間分、いただいた。処方されたのが2週間分ということは、一週間くらいでは、簡単には治らないということだろう。
ところで、わたしは窓口で精算するときに、「この健康保険証以外に書類をお持ちではありませんか?」と質問をされた。70歳以上になると、高齢者向けの証明書類があれば、診療報酬の支払いは、20%負担になるらしい。いままでは30%だった。
事務員さん曰く、「職場の健康保険組合から、誕生日前に送られてきた書類があるはず」とのこと。病院から大学の健保組合に電話を入れたところ、「先生の場合は俸給がふつうより多いので、(20%の)資格がないですが、書類は送りました」と。
これって、いいのか悪いのか? とにかく、その書類は、自宅に再送してもらうことになった。なんとも、めんどくさい世の中だ。