【ローソン本、作業プロセス#1】わたしの本の書き方は、特殊なのだろうか?

 これまであまり深く考えたことがなかったが、わたしは本を作るときは、いつも決まった手順を踏んでいることに気がついた。わたしは、最初(第1章)から書き出すのではなく、部品(素材、エピソード)から先に準備する。
 この後、いま取り掛かっている「ローソン本」の事例を紹介するが、手順は以下のようになる。
 ①最初に取り上げる材料をリストに書き出す。それから、
 ②材料を部品(パーツ)に作り込む。そのあとで、
 ③部品を並べて章を組み立てる。その時点で、
 ④いくつかの章をまとめて、ブロック(部)を構成する。
 

 Ⅰ(①②材料から部品を作る作業)と、Ⅱ(③④章でブロック(部)を構成する作業)は、同時並行で進行させる。もちろん、一旦Ⅱの作業が終わっても、部品を削除したり、部品を付け加えたりするので、④の最初の構成は、途中でどんどん変わっていく。ただし、部品で最後の構成(章とブロック)を作っていくプロセスは、標準的な手順で進む。

 ローソン本の事例を取り上げることにする。その方が、わかりやすいだろう。
 この本のスタートは、昨年(2023年2月2日)だった。昔から準備してきた企画書(V1)を、このタイミングでいったんは放棄した。取材してきた部品(エピソード)は残したものの、「歴代3人の社長(新浪さん、玉塚さん、竹増さん)の施策を、25年間を3つに分けて論ずる」はやめた。
 その代わりに、2020年に竹増社長が提起した「大変革実行委員会」の12個のプロジェクトの内容を軸に、ローソンの若手社員と関連組織との連携を中心に取り上げることにした。
 「挑戦と革新」(仕事へのチャレンジとイノベーション)を通して、ローソンの業績と社会からの評価が高まっていくプロセスと、会社の未来像をそこでは描くことにした。

 書籍の構成は、「挑戦と革新」の個々の事例(エピソード、部品)をリスト化した(4月時点)。そして、プロローグと2つの章(序章と8章)が完成したところで、いったんはⅡ(章と部)をデザインする作業に移行している。いまは、その部品づくり(章)と調整の作業(ブロック)が進行している。
 具体的な例を示してみる。ローソンさんから企画書の承認(2023年2月)をいただいてから、15人ほどのインタビューを実施した(2023年3月~現在)。インタビューで「素材」を集めて、「部品」に組み立てる作業である。
 素材(部品ができる前のインタビュー)を並べたものが、以下のようになる。なんとなく並べてあるだけのものである。

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『ローソン、An Inside Story』PHP研究所
(構成案#1) 2024年4月1日?

0.社長室からの電話 
 ユニクロ玉塚社長の12年後
1.開店日が、7-11
 ナチュラルローソン
2.社長の大きなパンツ
 無印良品との提携
3.ふたりの女傑(1)
 まちかど厨房、鷲頭さん
4.ふたりの女傑(2)
 プレミアムロールケーキ、坂本さん
5.おにぎり温めますか?
 冷凍弁当,冷凍おにぎりの開発
6.大坂夏の陣
 今川監査役の対セブン.開発戦争
7.若き貴公子の挑戦
 ローソンファーム、篠塚会長
8.密かな買収劇と上場断念
 成城石井
9.8回の謝罪会見
 3代のトップに仕えた宮崎専務
10.アバターと言葉を交わす
 月生田さん
12.北限の地の地産地消
 地域に挑む、地域に貢献する
13.もう一つの社会選択
 涌井部長、アナザーチョイスとai.co
14.社会実験、環境の変化を先取りする
 グリーンローソン、大改革実行委員会
15. 街から本屋が消えていく
 マチの本屋さん、山下さん
16.アジアのGAFALになる
 KDDIとの提携
17.この国に新しいマチを創る
 ローソンタウン構想
18.終章,終わらない進化のプロセス
 コンビニの新しい姿

✳︎どこかに、海外ネタが欲しい
(上海の三宅さん、インドネシアの佐藤さん?)

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 これが、次のように変化する。構成企画書の各章(順不同)には、インタビュー内容(ポイント)を書き加えてある。

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A案『ローソン、挑戦と革新』PHP研究所
B案『ローソン、Inside Stories』PHP研究所
(構成案#2) 作成:2024年5月1日

0.社長室からの電話 
 ユニクロ玉塚社長の12年後
 拙稿「ローソンがセブンを超える日」『新潮45』(2016年)
 「1000日全員実行計画」(竹増社長の実行計画、原型)

1.開店日が、7-11
 ナチュラルローソン
 コンセプトはどのようにして生まれたのか?
 都市部で働く女性ターゲット

2.社長の大きなパンツ
 「無印良品」との提携(新しい顧客層の発見)
 ファミマが手放した商品群で、
 なぜ顧客層が拡大?

3.ふたりの女傑(1)
 「まちかど厨房」、鷲頭さん
 地方コンビニチェーンの買収劇から
 はじめての女性支社長の誕生@北海道支社

4.ふたりの女傑(2)
 「プレミアムロールケーキ」、坂本さん
 東北支社長へ転身

5.おにぎり温めますか? 
 冷凍弁当,冷凍おにぎりの開発
 ベンダー組織の統合と見直し

6.大坂夏の陣
 今川監査役の対セブン立地開発戦争
 鷲頭さんとの出会い

7.若き貴公子の挑戦
 ローソンファーム千葉、篠塚会長
 新浪さんの発想から誕生
 農業で地域活性化

8.密かな買収劇と上場断念
 成城石井(仮) 
(代替案)海外ネタ(上海の三宅さんとインドネシアの佐藤さん)

9.8回の謝罪会見
 3代のトップ(新浪さん、玉塚さん、竹増さん)に仕えた宮崎専務
 JASからの転職組
 三菱商事、広報部門との連携

10.アバターと言葉を交わす
 月生田さんの挫折体験
 アバター接客の実験
 法務部長として、「大改革実行委員会」を起動させる

11.先駆者たちが支える加盟店経営
 マネジメントオーナー制度の誕生(余田さん)
 美容師さんがコンビニを起業(石塚さん)
 ニートのための雇用促進
 
12.北限の地の地産地消
 地域に挑む、地域に貢献する
 稚内で4店舗を開く、すべて日販100万円超
  → ローソンタウン構想(竹増さん)

13.もう一つの社会選択
 涌井部長、アナザーチョイス(フードロス対策)
 ai.co(新発注システム)で店粗利益を最大化する
 フードロスの削減効果

14.社会実験、環境の変化を先取りする
 グリーンローソン(吉田さん)
 ゴーストレストランの実験
 省エネの取り組み(冷蔵ケースの扉)
 アバター接客の実験

15. 街から本屋が消えていく
 マチの本屋さん、平野さん
 エンターテインメント部門出身
 → 無印も書籍も、マチに必要なアイテム

16.アジアのGAFALになる
 KDDIとの提携、竹増改革
 ウーバーイーツとの提携
 → マチに必要なものは何でも取り扱う

17.この国に新しいマチを創る
ローソンタウン構想
 公営住宅との停会
稚内での経験
  
18.終章,終わらない進化のプロセス
 コンビニの新しい姿

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 ここから、Ⅱで、どのように部品が再編されのか?
 <構成案#3>が出て来るのか? お楽しみに。

  

 
 
 

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