⺟の⽇が明けた5月17⽇に、「今年の⺟の⽇を振り返る」というテーマで、オンライン・ミーティングが開催された。イベントの主催者は、JFMA/MPSジャパン。⺟の⽇の⼀か月前(4月5⽇)には、生産者から小売店まで、流通段階のそれぞれの準備状態をお互いに把握するため、「⺟の⽇決起集会」がオンラインで持たれていた。
初年度(2021年)のオンライン会議は、MPSジャパンが開催。うっかりもののわたしは、諸事で忙しかったこともあり、⼤切な会議に参加し損ねてしまった。その後になって、自主的に始まったオンライン会議が⼤盛況だったことを知った。
まずは、リモート会議への参加者が多数(約100人)だったことに驚いた。そして、生産者・輸入商社・卸市場・小売店のすべてのプレイヤーがバランスよく参加していた。そんなこともあって、その後は欠かさず顔を出すようにしている。
ところで、今年度開催された会議の内容については、今月号の『JFMAニュース』で詳しく紹介されることになっている。詳細は、記事を参照していただくとして、JFMA主催の「⺟の⽇対策/⺟の⽇の振り返り」のイベントが定着してきたことに対して、とても嬉しく思っている。その背景と会議体としての進化について、ここで整理しておきたい。
コロナ禍がもたらした新しい会議形式が、zoomなどを使ったオンライン・ミーティングである。2020年の春ごろは、政府からの要請で厳重な外出規制が掛かっていた。オンライン会議は、閉塞した社会状況の中で、参加者に情報共有の機会をもたらす役割を担っていた。
わたしが初めて⼤規模なオンライン会議を経験したのは、「花の国⽇本協議会」が主催した「⺟の月」のイベントだった。当時を振り返ってみると、花業界の参加者が必要な情報を得ることができる貴重な機会だった。この会議の進化系が、「⺟の⽇対策会議」である。
JFMA/MPS主催のこの会議では、昨年から⺟の⽇前後に会を実施。「⺟の⽇対策/⺟の⽇の振り返り」の2回の会議で上手にPDCAサイクルが回っている。対策会議は、PDCAサイクルのPlan(計画)段階で実施されている。⺟の⽇のDO(実施)段階に向けて、お互いの仕入れや商品企画の状況をリモート会議で情報交換する仕組みである。振り返り会議では、来年度に向けてCheck(改善)とAction(⾏動)が議論されている。
さらに4月の対策会議を始めるにあたっては、司会が昨年度(2023年)の「振り返り」の議論を要約してくれていた。今年の振り返り会議の最初には、⼀か月前の対策会議で議論したことを要約して情報提供がなされていた。
⼤手企業であっても、PDCAサイクルが必ずしもうまく回せているわけではない。⺟の⽇限定ではあるが、2回のリモート会議で花業界のPDCAサイクルがそれなりに上手に回っていて、各社の価格付けや商品開発のための改善活動に繋がっていることが確認できる。
花業界という枠組みの中ではあるが、リモート会議が情報交換のためのプラットフォームとして機能している。
草の根的に始まった⺟の⽇のオンライン会議が、社会的な役割を担っている。花業界として、そのことを誇りに思ってよいのではないだろうか。
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