【データ拝見】「あなたは、ビザの耳を食べますか? それとも、食べないで残していますか?」

 『日経MJ』の本日号(4月19日号)に、ピザの耳の話題が載っていた。ドミノ・ピザの調査を紹介したもので、記事の見出しは「ピザの耳残す9%」とあった。
 2年前の調査では、「残す派」が12%だったらしい。いまのわたしは「残さない派」に転向しているが、半年前までは、ピザの耳は食べないで残していた。食べる派に転向した「3%」のうちの1人である。
 新聞記事では、ドミノ・ピザのフードロス対策が報告されていた。同社は、期間限定(3月18日~5月26日)ながら、耳をツイストしてチーズを絡めた「チーズツイスト」を販売している。また、同期間に、耳だけを商品化した「チーズツイストブレッド」を売り出している。
  
 
 わたしが「耳を食べる派」に転向したのは、かみさんからのお叱りの言葉への対応だった。
 もともとが「粉モノ」があまり得意ではない。プレーンの小麦製品(食パン類)は、子供のころから、できれば避けたい食べ物だった。学校給食で出たコッペパンの後遺症だったと思う。給食で食べ残すと、下校するころには、机の中でコッペパンががちがちに硬くなっていた。
 当時は、プレーンのコッペパンには、マーガリンを塗って食べていた。しかも、マーガリンもバターもあまり好きではなかった。食べ物を飲み込むために脱脂粉乳は存在していたが、これも無味乾燥な飲み物で好きにはなれなかった。

 ところで、かみさんはスクラッチからピザを作る。米国仕込みのスクラッチピザである。手作りピザだから、トッピングがとても美味しい。だから、真ん中は残さずに食べていた。問題は、周囲を取り囲んでいる耳の部分だった。なんの味もしない耳は、そっとプレートの脇に寄せて置いていた。
 孫の夏穂が同じテーブルを囲んでいるときは、喜んでわたしのピザの耳を食べてくれた。しかし、夏穂が居ないときが問題だった。そのまま一緒にゴミになっていた。もったいないのだが、わたしが齧りかけたピザの耳を、かみさんが食べるはずもない。考えてみれば、当たり前の帰結である。
 
 ところが、夫婦の言い争いがある日、解決することになった。その日、たまたまテーブルにバージンオリーブオイルが置いてあった。イタリアンの店で、バケットを食べるためによく出てくるオリーブオイルである。岩塩などと一緒に食べるとさらに美味しくなる。
 オリーブオイルの隣には、そのときは、メキシコ料理のトルティーヤを食べるために使う、辛く味付けしたディップソースも置いてあった。ピザの耳を食べるためのディップには、どちらの最適である。
 なんのことはない。それまで残していたパンの耳を、オリーブオイルかディップソースに浸して、美味しく食べられることを発見したのである。それ以来、自宅でピザを焼くときは、オリーブオイルかメキシカンのソースを用意してもらうようになった。
  
 わが家では、これにてピザの耳を巡る「フードロス問題」は、偶然のことがきっかけで解決することになった。そこで、他の家の状態を知りたくなった。
 皆さんのお宅では、かつてのわたしのように、ピザの耳を食べないご主人様はいらっしゃるのだろうか? 世の中で、耳を食べない派はごく少数のマイノリティだと思っていた。でも、実際は、9~12%の人が耳を残していると知って、実はかなり驚いた。
 かみさんの主張には、当時からフードロスのことを指摘されると、グーの根もでなかった。もっともなことだとは思っていた。ただし、わたしの胃袋と舌はピザの耳を受けつけなかった。それだけのことだったから、問題が解決していまはそれでよかったと思っている。

 

 
 

 

 

  

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