公平さと例外処理、キャンペーンの効果と効率

 フラワーバレンタイン推進委員会(本物のバレンタインを始めよう!)のキャンペーン準備作業で、花の業界は大いに盛り上がっている。参加の花店は、7千店を越えそうな勢いだ。すでに、花普及センターには、花の卸や生産者を含めて、数十店(花店以外の農家・各種団体)から申し込みがある。


いわずと知れたことだが、今回の主役は、花屋さんである。
 花屋さんがこのキャンペーンに参加するには、まず一店舗当たり一口(一万円)分の参加費用(協賛金)を支払う。10店舗までは、店舗数×1万円である。これが最低料金である。
 花屋さんが自らで参加意思を表明すると、色違いのポスター二枚と販売用のタグ100枚、POPなどをWEBからダウンロードする認証の権利を、フラワーバレンタイン委員会から届けられる。ポスターは、色を選んで店内に貼ると良いだろう。タグは、お花を購入したお客さんに配布して欲しい。

 キャンペーンの本来の目的は、2月14日に、「男性が女性に花を贈ること」である。
  形式的に言えば、申し込み方法は、とてもシンプルである。そうなのだが、実際には、多くの例外がある。例えば、ネット企業の場合である。店舗がないので、口数と協賛金が「何店舗分」になるのかがわからない。ポスターを貼るような場所はないだろう。せいぜいが、事務所の壁面とかである。しかし、もしタグがほしいとすると、、、
 こうした例外にどのように対処するのかは、キャンペーン組織を運営していく上での頭痛の種である。
 人も金もたくさんあれば、そして、確立したひとつの組織でキャンペーンを実行運営しているならば、その対応は気楽である。司令官(担当者チーフ)がすべてを差配すればよい。しかし、今回は、NPO的なボランティア運動である。
 となると、大切なことは、二つである。「公平さ」と「効率」である。さらに、もうひとつ付け加えるとすれば、(キャンペーンの)「効果」である。
 公平さは、参加者が不特定多数であることから生じる要件である。この場合は、「情実が交じること」がもっとまずい。自分たちの特殊性(特別な団体組織、ネットなど)を言い出すと、特定の誰かが得した感をもたれてしまう。
 そうしたことがあっては、絶対にいけない。皆が、同じ条件になるよう、知恵を出して工夫をすることである。この点は、今回はクリアできたと思っている。参加者に公平感がなくては、キャンペーンは先々もたないのである。

 二番目の効率は、こうした非営利組織のキャンペーンでは無視されがちであるが、より大切である。そもそもこの手の運動は、手弁当で、資金的な裏づけがしっかりしていない。それでも、やりきろうとしている。
 そうなのだから、効率よく資金を使わないとならない。赤字は許されないからである。ひともいないので、余分なコミュニケーションにコストは支払えない。
 
 最後の「効果」も、実は大事である。キャンペーンはやりっぱなしではいけない?しばしば、高校や大学など、学校の文化祭のように、「終わって、よくやったよな」というので満足しているうちは、ビジネスにはならない。
 その結果を測定して、個々のマーケティング努力(放送、雑誌、店頭POP、ポスター、コンセプト認知、売上げなど)の効果があったのかどうかを検証すべきである。自分たちの「満足感」は、ビジネスでは関係ない。静かに冷静に成果を見る必要がある。
 例えば、2月13日に、銀座で配られる「花束の数」(3万束)は、それほど大事ではない。それよりも、そのときに同時に配られるはずの「本物のバレンタインをはじめよう」のチラシ(認知)や、FM東京のCM認知率がどれくらいあがったかが重要である。翌日の14日のバラやガーベラの売上が、対前年でどのくらい伸びたのかを知りたい。また、認知率があがっていないと、何のためのキャンペーンなのか、努力は無意味である。
 これは、慈善事業ではない。前日は、プロモーションだからよいが、バレンタインの当日には、花を配るのはやめよう!男性に花を、有償で購入していただけるように、事前の仕掛けをきちんとしていこう。

 なお、キャンペーンの効果に関しては、FV委員会として、ネットで事後に効果を測定するつもりでいる。データで検証し、来年度の展開につなげていく。聞き飽きたかもしれないが、「PDCAサイクル」をまわすのである。