【柴又日誌】#157:「凶」のおみくじを引く割合(浅草寺の場合)

 2日前に書いた「おみくじ話」が気になって、凶が出やすい社寺を調べてみた。経験的には、台東区の浅草寺が良く凶が出るというので有名である。まさか近くの柴又帝釈天(葛飾区)が「凶多発のお寺」だったとは、2日前までは知らなかった。ランキングに上がっていた社寺のリストを紹介してみる。その前に、浅草寺にある新聞記者が短刀直入に尋ねてみた「吉凶の比率」が興味深い。

 

 少し前のことになるが、「日本経済新聞」(オンライン)に掲載された記事を見つけた。浅草寺の事務所に、おみくじの吉凶比率について記者が尋ねたデータが掲載されていた(NIKKEI STYLE 2016.6.21:現在は閉鎖)。これは、わたしが経験的に感じている数値にかなり近かった。

 この記事よると、まず浅草寺側の説明によると、「おみくじには凶が多い、とよく言われますが、(うちは)古来のおみくじそのままです」。つぎに、おみくじの吉凶の各本数の割合については、「100本のうち、大吉17本、吉35本、半吉5本、小吉4本、末小吉3本、末吉6本、凶30本」だった。凶の出る確率は3割で、浅草寺の凶比率が高いのは、世間の噂通りだった。

 同じ記事によると、「凶3:吉7」は、古来からの比率だという。京都の清水寺も、浅草寺と同じ伝統的な比率「3:7」を守っていた。しかし、一般的には、いつのまにか凶の比率を低く抑えるようになったらしい。お寺の事情にもよるのだろう。気持ちはわからないでもない。

 

 「RETRIP」(旅行お出かけメディア)に、「凶の比率が高い社寺」のリストが紹介されていた。伝統的な社寺の割合が高い。

 ①浅草寺(東京都)、②深大寺(東京都)、

 ③鶴岡八幡宮(神奈川県)、④平間寺(神奈川県)、

 ⑤住吉大社(大阪府)、⑥清水寺(京都府)、⑦厳島神社(広島県)。

 たしかに、浅草寺が日経の記者に回答した「伝統比率」を重んじるのは、長い歴史のある社寺に多いことが納得である。また、そもそも、おじくじで「凶」を引きあてることは必ずしも悪いことではない。神様からの親切な警鐘として、「この先、注意して行動しなさい」というご託宣だと受け止めるべきだという解釈もできる。

 

 それにしても、2日前のブログ記事(柴又日誌#156)で書いたように、凶が出ると女子は何度もしつこく引き直すらしい。この話を何人かの親しい女子たちにしてみたら、わたしの推測に対する確証が得られた。

 場所も、さすがに浅草寺である、凶を何度も引き直した回数は、わたしの知るところでは、元秘書の本村ちなみが最高だった。本人曰く、「わたしは、浅草寺でしかおみくじを引かないですよ。5回続けて(6回だったかも)凶でした。その後、吉、凶、大吉と来ています」(ちなみ)。

 要するに、(大)吉が出るまで、おみくじを引き続けるということのようだった。対照的に、わたしの周りでは、「凶」が出てもおみくじを引き直すと言った男子はいなかった。おみくじに関して、男女差は歴然としている。