「第8回彩の国マラソン」(@彩湖・堂満グリーンパーク)で、10KMを走った。ゴールタイムは、1時間00分08秒(ネットタイム)。一周5KMの彩湖の周りを2周するレースだ。ゼッケンを渡してもらった受付で、「70歳代のランナーは、10KMに何人エントリーしてますか?」と尋ねてみた。SportEntry主催のレースは、年齢別の順位が公表されるからだ。立派な賞状がもらえる。
去年の秋、「柏の葉パークマラソン」(SportEntry主催)のハーフの部で優勝した。ただし、70歳男子の部である。後に知ったのだが、一緒に走った70代男子は、わずか4人だった。一周5KMのコースを4周(+約1KM)する森の中のレースである。ゴールしたら、スタッフから記録証を2枚渡された。
手渡してくれた記録証の上に、大きなサイズの賞状が重ねてあった。女の子から、「おめでとうございます!」の祝福を受けて驚いた。「一体どうしたのですか?」と彼女に尋ねてみた。わたしとしては、2時間11分はごく平凡な、むしろ自分としては遅めのタイムである。
ところが、70歳代男子は4人しかエントリーがなかったらしい。思いもかけず、めでたく「70歳代男子ハーフの優勝者」になった。表彰台に上がることもなく、「残念ながら、年代別には賞品はありませんけど」と可愛めの女の子に言われたが、そもそもふつうならば何もなかったわけである。立派な賞状をいただいただけでも、サプライズでうれしかった。
本日のことになる。締め切り前の10時ごろ。受付のスタッフが、各ランナーの参加種目を年齢を一人ずつチェックをしている。スタッフがテーブルに置いてあるシートを覗き込んだら、70歳代男子にエントリーしているのは、7人だった。わたしが「何人ですか?」と聞いたのは、もしかして70歳代男子が少ないとすれば、去年の再来(年齢別の優勝)が起こるのでは?と思ったからだった。
男女合わせて、10KMにエントリーしているランナーは74人だった。若い人が多いから、70代男子のエントリー7人は思っていたより多い。とはいえ、正直に言うと、走っている人の年齢はわからないものだ。ランナーは全般的に若めに見える。一緒に走りながら、70歳代のランナーをチェックするのはやめた。
さて、5KMと10KMは、同時に11時半のスタート。10KMの一周目(5KM)は、手元の時計で途中経過が30分04秒。予定よりも30秒ほどタイムがオーバーしていた。1時間切りを狙って走っていたから、本来ならば、29分台の前半でないと1時間は切れない計算になる。この時点で、「サブ1」の達成はむずかしいと思った。
このごろは、後半の5KMでは、一周回より1分ほどタイムが悪くなる傾向がある。前回(11月)の「稲毛海浜公園サンセットマラソン」の10KMがその典型だった。前半の30秒の貯金を、2周目で完全に消費してしまった。ゴールタイムは、1時間02分21秒。
本日は、2周目に入ったところで方針を変更した。1周目の5KMで、すでに「サブ1」のために04秒タイムオーバーになっている。仮想の競争相手(70代男子)はわずか6人しかいない。顔で年齢は判別できないが、仮想敵のペースを考えて、2周目を同じくらいのペースで走ることにした。一周目ではそれほど無理をしていなかったからだ。
12月に入ってから、ほぼ一週間(2日~7日)、休まずに毎日走っている。距離も毎日3KM~7KM。筋トレも今週は、重さの負荷をあげて(15%オン)、2度チャレンジしている。筋肉の状態は悪くない。高砂駅では極力エレベーターを使わずに、スクワット状態で階段を昇り降りしている。
1時間切りを狙わず、後半もイーブンペースで走ることにした。無理をして、1時間を大幅にオーバーすると、70歳代で上位に入賞できなくなるかもしれない。というわけで、彩湖の湖畔の反対側からゴールエリアに入ってくる橋を渡るとき、いつもよりきつめに地面をキックするようにした。
イーブンペースを崩してギアアップした「最後の1KM」の効果が出たようだった。手元時計で、2周目のタイムも前半とちょうど同じになった。どちらも、30分04秒。ゴールタイムは、1時間00分08秒(記録証のグロスタイムは、1時間00分18秒)。後方からスタートしたからそこは仕方がない。
どきどきで、プリンターから記録証が打ち出される様子を見ていた。わたしの後ろのランナーが、わたしより先に記録証を受け取っている。わたしが飛ばされた? どうもおかしいと思っていたら、わたしには2枚目の賞状が用意されていた。2枚目は、2番目のプリンタから打ち出されてきていた。
去年と同じ形式のアウトプットだった。70歳代男子の優勝者は、小川孔輔(72歳)さんだった。めでたしめでたし。で、気分良くレースは終わった。
ところが、これにはおまけがついてきた。
駐車場に戻ると、ない、ない、ない、、、、リュックサックの中に入っているものとばかり思っていた「名刺入れ」がないのだ。12年ほど前に、卒業生の斎藤智恵さん(大学院生)からプレゼントされた、赤茶色の上品な名刺入れがないのだ。
中には、名刺10枚ほどの他に、①運転免許証と②VIEWスイカと③三井三友のバンクカードが入っている。焦ったのだが、朝の記憶をたどってみる。出がけにオーバーコートのポケットの中に、名刺入れを入れたような気がする。コートは家に置いてきたはずだ。
とりあえず自分を納得させて、戸田東インターから外環をドライブして、自宅のある高砂まで車で戻った。ところが、家探しをしても、オーバーコートのポケットにも名刺入れはない。困った、困った、困った。
思いあぐねて、彩湖の管理事務所に電話を入れてみた。リュックのポケットには財布も入れていた。ポケットのファスナーが開いて、小銭がこぼれていた。もしかして、リュックのポケットから名刺入れが落ちたのかもしれない。
電話口に出たのは、親切な男性だった。「駐車場からエントリー会場まで歩く間に、名刺入れを落としてかもしれない。どなたかが拾って、管理事務所に届けてくれているかもしれない」(わたしからの説明)。男性に状況を説明したら、後ほど調べてコールバックしてくれることになった。
2分後、今度は、別の事務所にいる女性から、わたしの携帯に電話が掛かってきた。「名刺入れは、赤い車の前に落ちていました。どなたかが拾って届けてくれています」。わたしが走っている間の出来事だったのだ。すぐさま、赤い車(ダイハツのコペン)で、東京都から埼玉県にある「彩湖の駐車場管理事務所」まで戻った。
本日は、高砂と彩湖と往復2回する羽目になった。そのための消耗時間は、2往復で約3時間半。
しかし、「名刺入れ」をとりあえず警察に届けることなく(カード2枚を使用停止、運転免許所の再発行の事態を免れる)、無事に一日が過ぎた。ほっとするも、これはかみさんたちには黙っていよう。昨年暮れにも、上野駅で財布を落としている。10万円の現金がはいっていた。それを拾って上野駅の落とし物事務所に届けてくれた。
さて、これから、本日で大手百貨店のお歳暮のアルバイトが終わるかみさんと、男子70歳代で優勝したうえに、失くした名刺入れを届けてもらったラッキーなおじさんのわたしが、鉄板焼きホクホクでお祝いをすることになっている。今夜はカウンター席しか空いていないようだ。それでも、カウンターを占拠できるだけでもましだろう。
わたしは、名刺を失くしたあと、いままで何も食べていない。10KMを走って燃料切れだ。お腹の虫が、グーグー鳴いている。