4年前に、諒(りょう)くんのお姉さんの紗楽(さら)と一緒に、わたしは「ダイアの花の大観覧車」に乗った。葛西臨海公園駅のホームから、目の前に大きく見える観覧車だ。そのときの写真が、いまでもわが家のリビングの壁に飾ってある。2019年8月7日。初孫だった紗楽は、小学校1年生。一人で高砂の家に遊びに来ていた。いまの諒のほうが、年齢的には上である。
紗楽さんについては、とても印象的なことがある。高砂の駅には、3つの線が乗り入れている。京成線(都営浅草線と京急線につながっている)と北総開発鉄道線(通称、北総線)、京成金町線の3つの路線である。高砂駅からは、京成線と北総線が分岐していく。
その日、わたしたは紗楽とふたりで、高砂駅から西船橋方面の成田行きに乗ろうとしていた。ところが、ホームに入線してきた北総線に、ついまちがって乗り込んでしまった。よくあることなのだが、本来は同じ成田行きでも、西船橋方面に乗るべきだった。
電車の路線をまちがえてしまったので、「しまった」と思った。小学生の孫の手前、ちょっと格好が悪かった。葛西臨海公園駅にある水族館への到着が遅れてしまう。それでも、紗楽はまったく意に介せず、気分が落ち込んでいるわんすけを慰めてくれた。「急ぐ旅でもなし」と恬淡としている。少し遠回りになってしまうのだが、東松戸経由の武蔵野線で葛西臨海公園まで10分ほど余計に電車に乗った。
4年前の夏に紗楽と一緒に、大観覧車に乗った写真を見ると、その日のことを思い出す。7歳の紗楽はいまは5年生になっている。立派な大人である。今年は高砂に遊びに来てくれたが、休みのたびに両親と一緒に上京するのは、もしかしてこれが最後になるかもしれない。
本日、弟さんの諒くん(2年生)と、おなじ葛西臨海公園の水族園に行ってきた。今度は、まさえさんと3人が一緒になった。ちなみに、水族館なのに「葛西臨海水族園」と呼ばれているのは、水族館に「自然公園」が併設されているからだ。「水族園」という言葉の使い方は、初めて聞いた。4年前よりも、本日は来園者が多かった。
なお、諒くんの博識には大いに驚かされた。両親に連れられて、京都水族館や神戸の水族館を頻繁に訪れているからだろう。水槽の中を泳いでいるジンベイザメやクロマグロ、ペンギンの名前やその生態について実に詳しく知っている。二人に付き添われていることもあり、諒君はいつもよりテンションが高かったのかもしれない。
お昼休みでカレーを食べたときには、ややぐったりしていた。水族館の園内は涼しかったが、外気温は35℃。小さな諒君は、気温の高さに参っていた。夏休みに入って11日から、高砂滞在は本日まで一週間になった。これにて神戸の2人(高砂組を入れると全部で4人)の夏休みが終わる。
昨夜は、従弟の穂高君と8時ごろまで、近所にある「鉄板焼きホクホク」で夕飯を一緒にできて楽しそうだった。諒くんは人懐っこい子だ。ふたり(穂高と夏穂)とお別れをするまで、「明日もう一泊したら、穂高ともっと遊べるんだけどなあ」と名残り惜しそうだった。
本日、品川経由で母親の奈緒さん、姉の紗楽さんと、諒君は新幹線で神戸に戻って行く。新神戸駅まで、父親の由さんが迎えにきてくれることになっている。
来月になればまた、まさえさんが諒君の野球(毎週木曜日夕方から)を見るため、神戸まで新幹線に乗っていくだろう。そのころには、キャッチボールがもう少し上手になっているかもしれない。父親は、千葉県白井市の少年野球チームで4番の剛速球投手だった。がんばれ!諒君。お父さんに負けるなよ。