友人の坂嵜潮さんが、「園芸文化賞」を受賞した。受賞のお祝いと暑気払いを兼ねて、JFMAの執行部(会長・副会長・理事・顧問)の8人(+園芸文化協会の丹羽事務局長さん)が集まった。場所は、秋田料理店「男鹿半島」。この時期、男鹿半島のメイン料理は、じゅんさい鍋になる。ところが、ご存知のように、秋田県を襲った洪水でじゅんさい沼が被災してしまった。代わりの鍋は、懐かしのくじらだった。
くじら鍋は、子供のころによく食べた。秋田のわが家では、みそ鍋にして白菜を投入して食べた記憶がある。
しかし、昨夜のクジラは、子供のころの記憶のくじらとはちがっていた。思いの他に身が引き締まって硬かった。ベーコンの細切り風?昨夜集まったJFMAの執行部は、副会長の二人(40歳代)を除くと、50代から70代のご老人たち。給食でクジラの竜田揚げを食べた世代である。
おもしろかったのは、同じクジラの竜田揚げのはずだが、地方によって呼び名が微妙に違っていたことだった。拝野多美さんの呼び方がいちばんユニークでだった。とてもクジラとは思えない風流な呼び名だった。「クジラのノルウェー風」(ご本人から正解をいただきました!)。
参加者の出身地を列挙すると、北から室蘭(北海道)、上越(新潟)、世田谷(東京)、小淵沢(山梨)、宝塚(大阪)、長崎となる。給食のメニューにも「地方性」(ローカリティ)があるのは発見だった。
秋田料理の方は、くじら鍋を除くと、定番品が順番に登場してきた。突き出しは、もずく(秋田産のねばねば)。続いて、山菜の煮物(姫竹、ミズ、さもだし)、とんぶり(ほうきの実)。地元特産のお刺身の盛り合わせ(大トロ、ウニ、ブリ、エビ)は、参加者にとても喜ばれた。
お刺身を冷えた高清水のミニ樽でいただくのは、この店でのいつもの流儀だ。ついつい、いつも飲みすぎてしまう。忘れていた!日本酒を飲み始めるタイミングで、ガッコ(おしんこ)が登場。「ガッコ」は、香の物の秋田流の呼び名で、漬物のことだ。ダイコンが2種類(なた割りガッコと、いぶりガッコ)、ナスに赤かぶ。
このとき、ふだん何もしないわたしが、めずらしくみなさんにガッコを取り分けてあげた。幹事役だったので、サービス精神旺盛に振舞った(つもりだった)。ところが、左隣に座っていた拝野さんのお皿(3種類のガッコが置いてあった)から、知らずにナスの漬物を奪ってしまった。高清水の酔いも手伝って、気分が高揚してしまったからなのだろう。
坂嵜さんには、宴会前に、麹町の事務所でインタビューをお願いした。野口さんの退職で、しばらく中断していた「トップインタビュー」を、拝野さん(新事務局)と相談の上、再開することにした。6年前から、「JFMAニュース」で連載している企画である。
拝野さんには、今回の坂嵜さんからインタビューに同行していただき、記事をまとめてもらうことになる。次回以降のインタビュー候補者の一覧表も、彼女に作成してもらっている。午後14時からのインタビューは、予想通りに長時間になった。インタビューの終了は、16時40分。時間を充分に確保したつもりだったが、麹町の事務所から門前仲町に向かう時刻がぎりぎりになってしまった。 門仲の男鹿半島に到着したのが17時半。
ところで、インタビューの詳細は、「JFMAニュース」の次号から3回にわたって掲載されることになるが、事前にわたしから先々さんに渡してあったメモを掲載して、このどうでもよい”他愛ない”ブログを終えることする。
坂嵜潮さん(フローラ21)のインタビュー項目
2023年8月1日(午後14時00分~16時40分)
インタビュアー:小川孔輔(JFMA会長)
記録・編集:拝野多美さん
1 子供のころ
・住んでいた場所と環境
・両親からの影響(もちろん植物に関して)
・農学(植物学)を職業にした出来事・動機
2 高校時代から北大入学まで
・高校はどこに通っていたのか?
・北大時代の友人からの影響(いまに繋がる人間関係)
・ドイツ留学(きっかけ、始まりは?)
・その後の進路選択
3 サントリーでの仕事
・就社の経緯
・初めての仕事(南米ワインプロジェクト)
・帰国後の花事業へ
・サフィニアまで
・サフィニアの後
・サントリー退社の決断
4 海外(PW)との仕事
・PWとの最初の接点
・国内育種事業のスタート(会社のこと)
・最初の仕事とPW内での役割
・ドイツ(キエンツェラー:ゲーリー・ブルーバー)、アメリカ(ジョン・レーダー)など
・その他(わたしの知らない世界)
・高臣さんのこと(影響とハクサンとの関係)
5 花以外の取り組み
・みどり豊(米作り)
・キイチゴ
・クルミ
・リンゴ
・その他(ワサビついても、、、)
6 再び花苗の育種
・育種のやり方
・ブランダルシャワーの話(チェルシーフラワーショーの金賞受賞)
・PWとの距離感(後継者のこと)
・園芸文化賞の受賞について(雑誌原稿)
・育種の今と将来
7 仕事と生活
・普段の生活
・影響を受けた先輩、先生、友人たち
・人生の目標(今とこの先の生き方)
・何を楽しいと感じるか?
・苦しいときをどのように過ごしたのか?